ゲーム概要

『中つ国™:シャドウ・オブ・ウォー™』は Monolith Productions が開発し WB Games が販売した、2017年10月10日リリースのオープンワールド・アクションアドベンチャーです。プレイヤーは前作『シャドウ・オブ・モルドール』に続き、レンジャーのタリオンと亡霊ケレブリンボールという二つの意識を共有する存在を操作し、モルドールとその周辺地域を舞台にサウロン軍と戦います。

実際のプレイの流れは「潜入して情報を集める → 敵将を暗殺するか支配下に置く → 部下を増やす → 要塞に攻め込む」というループの反復です。オープンワールドを漫然と歩き回るのではなく、地図上に散らばる敵指揮官(オーク隊長)が常に自分の目標リストになっているため、次に何をすべきかで迷う時間はほとんどありません。逆に言えば、このループが肌に合うかどうかがそのまま評価を決めます。

ネメシス・システムが実際に何をしているか

本作の中核は、前作から拡張された「ネメシス・システム」です。これは敵オークの一人ひとりに、名前・見た目・声・口調・戦闘スタイル・弱点・恐怖の対象を自動生成で割り当て、さらにプレイヤーとの因縁を記録し続ける仕組みです。

重要なのは、これが単なるフレーバーではなく戦闘のルールに直結している点です。たとえば「炎に弱い」隊長は爆発物で崩せますが、「遠距離攻撃に耐性がある」隊長には弓が通りません。プレイヤーがある隊長に敗北すると、そのオークは昇進して装備が強化され、次に会ったときには「前回お前を殺してやったな」と嘲ってきます。逆にこちらが仕留め損ねれば、傷跡や義手を負った姿で再登場します。つまり自分の失敗が、そのままゲーム内の敵の強さと物語になって返ってきます。

中盤以降は敵を「支配(ブランド)」して味方に変えられるようになり、ここで一気に幅が広がります。要塞攻略の前に内部へスパイを送り込み、戦闘中に裏切らせて敵将を挟み撃ちにする、といった段取りが組めるようになるためです。味方にした隊長にも独自の性格があり、ときにこちらを裏切って敵に戻ることさえあります。この「自分だけのオークが生まれ、育ち、裏切る」体験が、他のオープンワールドアクションでは代替の効かない部分です。

特徴・システム

  • アサシン クリード系の移動と、バットマン系の戦闘:壁を駆け上がる高い機動力と、カウンター主体のリズミカルな近接戦闘(開発元は『バットマン アーカム』シリーズの流れを汲む手触りに仕上げています)の組み合わせです。多数の雑魚を捌きながら、隊長だけを狙う立ち回りが基本になります。
  • 攻城戦(要塞攻略):地域ごとに存在する要塞を、部下を率いて攻め落とします。攻める前にどの隊長を味方に潜り込ませるか、どの防衛設備を無力化するかを決める準備段階があり、ここが実質的な戦略パートです。
  • 防衛戦:奪った要塞は敵に取り返しに来られます。守る側に回ると、自分が育てたオークが城壁で戦う様子を見ることになります。
  • 装備とスキルの成長:武器・防具にはランクと付帯効果があり、隊長を倒すとドロップします。スキルツリーは同じ技に複数の派生を持たせる形式で、暗殺特化・正面戦闘特化などにある程度寄せられます。
  • アップデートによる改修:発売当初は課金要素(ゲーム内マーケット)を含んでいましたが、2018年のアップデートで撤廃され、終盤の「シャドウ・ウォーズ」も作り直されています。現在購入する版はこの改修後のものなので、当時の批判をそのまま前提にする必要はありません。この点は購入前に知っておくと評価が変わる部分です。

動作環境の目安

Steam ストアページに記載されている動作環境は以下のとおりです。数値はいずれも 64bit Windows が前提(X64 required)で、DirectX 11 が必要です。

項目 最低 推奨
OS Windows 7 SP1(Platform Update 適用) Windows 10 Creators Update
CPU AMD FX-4350 4.2GHz / Intel Core i5-2300 2.80GHz AMD FX-8350 4.0GHz / Intel Core i7-3770 3.4GHz
GPU AMD HD 7870 2GB / NVIDIA GTX 660 2GB AMD RX 480 4GB・RX 580 4GB / NVIDIA GTX 970 4GB・GTX 1060 6GB
メモリ 6GB 12GB
ストレージ 70GB 70GB
DirectX 11 11

解釈すると、要求の中心は GPU よりもメモリとストレージです。推奨がメモリ 12GB という指定は 2017年当時のタイトルとしてはかなり強気で、8GB 構成だと高解像度テクスチャを有効にしたときに読み込みでの引っかかりが出やすくなります。16GB 積んでいるなら気にする必要はありません。ストレージは最低・推奨とも 70GB で、高解像度テクスチャパックを別途入れる場合はさらに余裕が要ります。読み込みの頻度を考えると、HDD よりも SSD に置いたほうが体感は明確に変わります。

GPU 側は推奨が GTX 970 4GB / GTX 1060 6GB / RX 480 4GB 級です。現行世代のエントリークラス GPU であればこの水準は大きく上回るため、フル HD で設定を上げても余裕があると考えてよいでしょう。ただし VRAM 4GB のカードで高解像度テクスチャ設定を選ぶと足りなくなる可能性があるため、テクスチャ品質は VRAM 容量に合わせて調整するのが無難です。CPU は推奨が第3世代 Core i7 相当と、GPU に比べれば要求が控えめです。

序盤の進め方

序盤でつまずきやすいのは、支配(ブランド)が解禁される前に強い隊長へ突っ込んでしまうケースです。最初の地域では、まず地図を埋めて移動手段とスキルを開放し、雑魚オークから情報を集めて隊長の弱点を割り出してから戦うほうが安全です。弱点が不明なまま挑むと、耐性のせいで攻撃が通らず、そのまま敗北して相手を昇進させることになります。

もっとも、敗北してもゲームオーバーで巻き戻るわけではなく、その敗北自体が物語になる設計です。「負けても損ではない」と理解できると、本作は一気に遊びやすくなります。むしろ、一度も負けずに進める遊び方はこのゲームの面白い部分を半分捨てているとも言えます。

評価・レビュー傾向

Steam のユーザー評価は発売から長期にわたって高い水準を保っています。高評価側で繰り返し言及されるのは、やはりネメシス・システムです。「名前も知らなかったオークが自分にとって唯一の宿敵になる」「味方にしたオークに愛着が湧く」という、システムから自然発生する物語への評価が中心で、これは他社タイトルで簡単に真似できていない要素です。攻城戦の規模感や、戦闘そのものの手触りの良さも支持されています。

一方で低評価・不満側の指摘は傾向がはっきりしています。ひとつは本編ストーリーが原作トールキン作品の設定から離れている点で、原作準拠を期待する人ほど引っかかります。ふたつめは中盤以降の作業感で、要塞攻略のループが同じ手順の反復に感じられるという声です。みっつめは発売当初の課金要素に対する批判ですが、これは前述のとおり後のアップデートで撤廃されており、現在の版で購入する人には該当しません。古いレビューを読むときは投稿時期を見る必要があります。

最新の評価状況は、この記事の評価パネルまたは Steam ストアページの表示を確認してください。

こんな人におすすめ

  • 敵キャラクターに固有の因縁が生まれる仕組みに惹かれる人。本作の代替は事実上存在しません。
  • 前作『シャドウ・オブ・モルドール』を遊んで、あの戦闘とネメシスをもっと大規模に味わいたい人。
  • カウンター主体の近接アクション(『バットマン アーカム』系の手触り)が好きな人。
  • 準備と段取りを組んで、その通りに敵の拠点を崩すのが好きな人。攻城戦は事前の仕込みで難易度が大きく変わります。
  • 長時間遊べる単一のオープンワールドを腰を据えて進めたい人。ストレージ 70GB という要求は、それだけの物量があることの裏返しでもあります。

注意点・向かない人

原作『指輪物語』の設定を厳密に扱ってほしい人には向きません。 本作は原作および映画の設定を大きく脚色しており、原典に無い人物・展開が中心に据えられています。トールキン作品の考証を重視する人ほど、物語部分で強い違和感を覚える可能性が高いです。逆に「トールキンの世界観を借りたアクションゲーム」と割り切れる人なら問題になりません。

反復に耐性がない人にも向きません。 敵将を調べて倒し、要塞を落とす、というループはゲーム全体を通じてほぼ変わりません。ネメシス・システムが毎回違う敵を生成するので飽きにくい設計にはなっていますが、根っこの手順は同一です。1〜2時間で結末まで見たいタイプの人には、そもそも規模が大きすぎます。

暴力表現が濃い作品です。 タグにもあるとおり流血・残虐表現を含み、処刑モーションは直接的です。この手の描写が苦手な人は避けたほうがよいでしょう。

日本語対応について。 Steam の言語対応には日本語が含まれています(英語・簡体字中国語などとあわせた複数言語対応)。ただし対応範囲(字幕のみか音声も含むか)は版やアップデートで変わり得るため、購入前に必ずストアページの言語表を自分の目で確認してください。

ストレージの確保を忘れずに。 最低要件の時点で 70GB が必要です。SSD の空き容量が少ない環境では、インストール先を決めてから購入したほうが安全です。

購入ページの表示について。 Steam の商品ページでは、エディション違い(本編/各種エディション)や DLC が同じ検索結果に並ぶことがあります。どの版に何が含まれるかは商品ページ側の記載が最終的な根拠になるので、カートに入れる前にエディション名と収録内容を確認してください。価格やセール状況も日々変わるため、この記事ではなくストアページの表示を基準にしてください。