ゲーム概要
MORDHAU は Triternion が開発・販売する中世を舞台にしたマルチプレイヤー剣戟アクションで、2019年4月29日に Steam でリリースされました(App ID: 629760)。プレイヤーは特定の主人公ではなく、自分で組み上げた「傭兵」として戦場に放り込まれます。ファーストパーソンとサードパーソンを切り替えられ、最大64人が同じマップで殴り合う攻城戦が中心的な体験です。
実際のプレイは、シングルプレイのキャンペーンを進めるようなものではありません。サーバーに入り、数十人が入り乱れる前線で剣を振り、死んだらリスポーンしてまた前線に戻る、という反復です。1試合の中で攻城兵器が壁を崩し、騎兵が横から突っ込み、弓兵の矢が飛び交う——その混沌の中で自分の間合いだけを管理し続けるのがこのゲームの遊びの核になっています。
特徴・システム
MORDHAU の中心は、武器の振りを方向で制御する近接戦闘です。攻撃には方向があり、相手の攻撃の来る向きに合わせて受けなければ通されます。ここに次の要素が乗ることで、単純な殴り合いが読み合いに変わります。
- フェイント: 振りかぶった攻撃を途中でキャンセルし、相手の防御を空振りさせる。
- モーフ: 攻撃モーションの途中で斬撃と刺突を入れ替え、判断を狂わせる。
- チェンバー: 相手の攻撃に同じ方向の攻撃を合わせて弾き返す、いわゆるパリィの上位手段。
- ドラッグ/アクセル: 視点移動で武器の当たるタイミングを前後にずらし、防御のタイミングを外す。
これらはチュートリアルで説明されるものの、身につくまでには時間がかかります。逆に言えば、腕前の差がそのまま結果に出るタイプのゲームで、レベルや装備の強さで押し切る設計にはなっていません。
もう一つの柱がキャラクタービルドです。武器・鎧・パーク・見た目を自分で組み合わせ、複数の傭兵をスロットに保存しておけます。重装は打たれ強い代わりに動きが鈍く、軽装は機動力と引き換えに一撃で崩れる、というトレードオフが明確なので、同じマップでも「今日は槍で前線を止める」「今日は軽装で裏取りする」と役割を変えられます。ロングソード、槍、両手斧、盾持ち、弓やクロスボウといった飛び道具、投擲物まで揃っており、馬に乗ることもできます。
モードは大人数の攻防戦(攻撃側が拠点を段階的に押し上げるタイプ)、チーム同士の陣取り、少人数のデスマッチ、そして AI の敵の波を仲間と捌く協力モードが用意されています。Steam のデータ上も Co-op / Online Co-op に対応しており、対人戦の前に感覚を掴みたい人はここから入るのが現実的です。
動作環境の目安
公式に提示されている必要環境と推奨環境は次のとおりです。
| 項目 | 最低 | 推奨 |
|---|---|---|
| OS | Windows 10 64bit(最新の更新) | Windows 10 / 11 64bit(最新の更新) |
| CPU | Intel Core i5-4670 または AMD 同等 | Intel Core i5-6600K または AMD 同等 |
| GPU | NVIDIA GTX 680 または AMD 同等 | NVIDIA GTX 1060 または AMD 同等 |
| メモリ | 8 GB | 16 GB |
| ストレージ | 40 GB | 40 GB |
| DirectX | 11 | 11 |
注目したいのは、GPU の推奨が GTX 1060 に留まっている一方で、メモリの推奨が 8 GB から 16 GB へ倍増している点です。これは 64 人分のプレイヤーモデル、装備、AI、破壊表現を同時に処理する必要があるためで、実際にこのゲームで詰まりやすいのは描画よりも人が密集した場面の処理落ちです。最低環境の 8 GB でも起動はしますが、大人数サーバーで安定させたいなら 16 GB を前提に考えたほうがよいでしょう。
CPU 側も同様で、推奨が i5-6600K という「4コア4スレッドの上位」に置かれていることから、コア数よりシングルスレッド性能が効くタイプだと読み取れます。近接戦は数フレームのタイミングを争うので、平均フレームレートより「乱戦時に落ち込まないこと」のほうが体感に直結します。予算を配分するなら、GPU を一段上げるより CPU とメモリを確保するほうが satisfying な結果になりやすい構成です。
ストレージは 40 GB で、最低・推奨ともに同じ値です。HDD でも要件上は動きますが、マップのロードとリスポーン時の読み込みを考えると SSD に置くのが無難です。DirectX 11 世代の要求なので、2019年前後の PC でも土俵には乗ります。
評価・レビュー傾向
リリースから年数が経った現在も、Steam 上では長期にわたって高い評価を保っているタイトルです。称賛されるのはほぼ一貫して戦闘システムそのもので、「他の中世アクションに戻れなくなる」「読み合いの奥行きが尋常でない」といった趣旨の評価が目立ちます。攻城戦の規模感と、味方と足並みが揃ったときの高揚感を挙げる声も多いです。
一方で低評価の論点も明確です。最も多いのは学習曲線の急峻さで、始めたばかりのプレイヤーが熟練者に一方的に刈られ続ける状況が起きやすいこと。次に、時間帯や地域によってサーバーの人口が偏り、遊べるモードが限られること。加えて、開発の更新ペースやマッチメイキングの仕組みに対する不満も見られます。つまり「戦闘は絶賛、周辺環境は賛否」という構図で、これは購入判断の際にそのまま効いてきます。
最新の評価状況はこのページの評価パネルまたは Steam ストアの表示を確認してください。
こんな人におすすめ
- 対戦格闘ゲームのように、負けながら少しずつ精度を上げていく過程を楽しめる人。
- 銃ではなく武器の間合いとタイミングで勝負したい人。中世剣戟という題材そのものに惹かれる人。
- ボイスチャットなしでも、前線を押し上げる集団戦の空気を味わいたい人。
- 装備とパークを組み替えて自分の戦い方を設計するのが好きな人。
- 数十時間から数百時間、同じゲームを掘り下げることに抵抗がない人。
序盤の進め方
最初にやるべきは、チュートリアルを流すことよりも、AI 相手の協力モードやオフラインの練習環境で「防御の方向合わせ」を身体に入れることです。前線にいきなり出ると、何が起きて死んだのかすら分からないまま試合が終わります。
初期ビルドは、リーチが長く扱いやすい武器(槍やハルバードのような長柄、あるいはロングソード)で組み、中量程度の鎧に留めるのが無難です。軽装は一発が致命傷になり、重装は動けずに囲まれます。そして序盤は「1対1で勝つ」ことを目標にしないほうがいいでしょう。味方の背後から差し込む、旗を押さえる、攻城兵器を守る——貢献の仕方は殺傷数以外にもあります。
注意点・向かない人
ソロで物語を追いたい人には向きません。 キャンペーンや明確なストーリーラインを期待して買うと、目的の設定を自分でやらされる感覚に戸惑うはずです。遊びの中身はほぼ対人戦とその練習に集約されます。
上達に時間を割けない人にも厳しいです。 前述のフェイントやチェンバーは、対戦相手が当たり前に使ってきます。数年続いているタイトルなので、今から入るプレイヤーは最初から熟練者と同じ戦場に立つことになります。「30分だけ気楽に遊ぶ」用途には噛み合いません。
流血・切断表現が苦手な人は避けてください。 ジャンルタグにゴアが含まれているとおり、四肢の切断や首の欠損が日常的に描かれます。人前や配信で遊ぶ場合も判断が必要です。
対人の人口に依存する点も理解しておく必要があります。 大人数のモードは人が集まって初めて成立します。日本時間の深夜帯や、特定のモードだけを遊びたい場合、サーバーが埋まっていないことがあります。購入前に、遊びたい時間帯にどれだけ人がいるかを確認できると安心です。
日本語対応の有無は、ここでは断定できません。 手元のデータには対応言語の情報が含まれていないため、インターフェースや字幕の日本語対応が必要な方は、購入前に Steam ストアページの対応言語欄で必ず確認してください。対人メインのゲームなので言語の壁は比較的低いものの、パークや武器の説明を読み込むタイプの遊び方をするなら影響があります。
なお、ストアページやまとめサイトの登録情報は、ジャンル分類やメーカー表記が実態とずれていることがあります。この記事の対象は Triternion による App ID 629760 のタイトルです。購入時はストアページのタイトルと開発元表記を照合してから決済してください。
似た方向性のタイトルとの違い
同じ中世剣戟でも、キャラクター(ヒーロー)ごとに固有のモーションと構えが割り当てられている作品と比べると、MORDHAU は「武器とパークを自分で組む」自由度に振れています。決められたキャラの性能を引き出すのではなく、自分で作った傭兵の弱点も含めて背負うタイプです。逆に言えば、キャラ選択によるバランス調整の恩恵は受けられないので、負けた理由は基本的に自分の操作に帰ってきます。この構造を面白いと感じるか、理不尽と感じるかが、そのまま向き不向きの境界線になります。





