GLORIOUS Gaming Model I は、69g の軽量ハニカムシェルに 9 個のプログラム可能ボタンを詰め込んだ有線ゲーミングマウスです。「軽さ」と「ボタン数」はふつう両立しにくい要素で、この2つを同時に求める人にとっては選択肢がかなり限られます。本記事では、公称スペックとレビュー実績をもとに、どの手のサイズに合うのか、どこを割り切る必要があるのか、そして誰には勧められないのかまで踏み込んで整理します。

概要

GLORIOUS Gaming Model I は、中型から大型の手に合わせた左右非対称の人間工学シェイプを持つ有線マウスです。本体重量は 69g で、ハニカム(穴あき)シェルによって軽量化を実現しています。搭載センサーは Glorious BAMF 光学センサーで、公称値は最大 19,000 CPI、400 IPS、40G 加速度。ポーリングレートは 1000Hz、リフトオフ距離は 1mm 未満とされています。

この製品の性格を一言で言えば「MMO 用マウスほど重くはないが、FPS 専用マウスより指が届くボタンが多い」中間解です。親指位置には 4 個のボタンが集まり、そのうち 2 個は交換式サムボタン(フラットタイプと突起タイプ)で、押しやすさを自分の親指の可動域に合わせて調整できます。使わないボタンは物理的に外して誤爆を防ぐ、という使い方ができるのが特徴的です。

Amazon.co.jp のレビューは 2026 年 6 月取得時点で 569 件、平均 4.0(5 段階、好評率 80%)です。569 件という母数は、レビューが数十件しかない新興ブランド品と比べれば十分な信頼区間があります。一方で 4.0 という数字は「絶賛されている製品」ではなく「概ね満足だが不満点も一定数ある製品」を示しています。この不満点が何なのかは後述の注意点で扱います。

スペック早見表

項目 読み方
重量 69g 軽量クラス。60g 台は現行の「軽い」基準を満たす
プログラム可能ボタン 9個(うち親指位置4個) FPS 系より多く、MMO 専用機より少ない
交換可能サムボタン 2個 形状変更・取り外しが可能
ケーブル Ascended パラコード 約2m 柔らかく取り回しやすいが直付け
ポーリングレート 1000Hz 有線での標準。1ms 間隔
リフトオフ距離 <1mm 持ち上げ時の誤追従が起きにくい
スイッチ寿命 8,000万回クリック 高頻度クリックでも数年規模の耐久
最大CPI 19,000 実用域は 800〜1600 程度で十分

表の数値は仕様上の上限であって、日常的に使う値ではありません。特に 19,000 CPI は「そこまで出せる」という指標であり、実際の競技系プレイヤーは 400〜1600 CPI の範囲に収めることがほとんどです。CPI の最大値でマウスを選ぶ意味はほぼ無い、と割り切ったほうが判断を誤りません。むしろ効いてくるのは 1mm 未満のリフトオフ距離で、ローセンシでマウスを何度も持ち上げる操作をする人ほど恩恵があります。

互換性ガイド

接続は USB Type-A の有線のみです。USB Type-A ポートを備えた PC / ノート PC であれば、Windows・macOS・Linux のいずれでもドライバ無しで認識し、左右クリック・ホイール・基本的なサイドボタンはそのまま動作します。無線機能もドングルも無いため、ペアリングの手間や電池切れの心配はありません。

注意が必要なのは以下の点です。第一に、Type-C ポートしか無い薄型ノートや最近の Mac では変換アダプタが必要になります。付属していないため別途用意してください。ハブ経由でも動作しますが、電力供給が不安定な安価なハブでは RGB 点灯時にちらつきが出ることがあるので、可能なら本体直結を推奨します。

第二に、ボタンの再割り当てと RGB のカスタマイズには専用ソフト「Glorious CORE」が必要です。ここが実質的な OS 制限になります。設定ソフトを一度 Windows 機で走らせてマウス本体のオンボードメモリに設定を書き込んでしまえば、その後は他の OS に挿しても設定が生きる、という運用が現実的です。macOS / Linux をメインにしていて設定を細かく変えたい人は、設定用に Windows 環境を一度確保できるかを購入前に確認してください。

第三に、**ケーブルは直付け(非着脱)**です。ケーブル自体は Ascended パラコードで非常に柔らかく、マウスバンジーと組み合わせればワイヤレスに近い引っかかりの少なさになりますが、断線した時点で本体ごと交換になります。約 2m という長さは、モニター背面の USB ポートやデスク下の PC 本体からでも十分届く長さです。

物理的な干渉要素はほぼありませんが、ハニカムシェルである以上、マウスパッドの毛羽やほこりが穴から内部に入ります。これは設計上避けられない特性なので、エアダスターで定期的に吹く前提で考えてください。

商品情報

発売は 2022 年 6 月で、軽量マルチボタンマウスとしてはミドル〜ハイエンドに位置づけられる製品です。メーカー保証は 2 年間。付属品は交換用サムボタン 2 種(フラットタイプと突起タイプ)で、ケーブルは本体直付けのため交換用ケーブルは含まれません。

価格は取得元と時期でかなり動いています。Amazon(グローバル表示)では 2026 年 6 月 1 日取得時点で ¥7,687、Amazon.co.jp では 2026 年 8 月 27 日取得時点で ¥10,406 でした。eBay US では 2026 年 7 月 15 日取得時点で $24.99 の出品が確認されています。同一製品で 3 か月弱のあいだに 2,700 円以上動いているわけで、この価格帯の周辺機器としては変動幅が大きい部類です。急ぎでなければ、複数の販売元を比較してからの購入を勧めます。なお eBay の出品は中古・並行輸入・欠品の可能性があるため、保証を重視するなら国内正規流通品を選んでください。

レビューは 2026 年 6 月時点で 569 件・平均 4.0(好評率 80%)。この価格帯の製品としては十分な件数で、「一部の絶賛レビューだけで平均が持ち上がっている」状態ではありません。

競合製品との比較で見た立ち位置

軽量マウス市場には 60g 前後の製品が数多くありますが、そのほとんどは 5〜6 ボタンの FPS 志向です。Model I の差別化点は、69g という軽さを保ったまま親指側に 4 ボタンを配置している点にあります。同じ軽量帯の製品と比べると、Model I は「軽さ competitiveness では横並び、ボタン数で優位、価格では中位」という位置づけになります。

逆に、純粋な FPS 用途で軽さだけを求めるなら、ボタンが少なくシンプルな軽量マウスのほうが誤爆リスクが低く、価格も抑えられます。MMO で 12 ボタン級のサイドパネルが必要なら、Model I の 4 ボタンでは足りません。Model I が刺さるのは「その中間」──MMO / MOBA を主軸にしつつ FPS もやる、あるいは業務のショートカットも割り当てたい層です。

実際の使い勝手で効く要素

持ち方との相性は重要です。人間工学に基づく左右非対称シェイプとサイドのサムレストがあるため、手のひら全体を乗せるパームグリップとの相性が最も良く、次いでクロウグリップです。指先だけで支えるフィンガーグリップだと、この形状の恩恵は薄れます。中〜大の手(実測 18cm 以上が目安)のユーザーが主なターゲットで、手が小さい人には後方が余ります。

スイッチ寿命 8,000 万回という数字は、1 日 5,000 クリックする重めのユーザーでも計算上 40 年以上に相当します。実際にはスイッチのチャタリングは寿命回数より個体差や環境に左右されるので、この数値は「クリック回数を気にせず使ってよい」程度に読むのが妥当です。

購入前の注意点

ハニカムシェルは万人向けではありません。 穴あき構造は軽量化のためのもので、手汗が多い人には通気性としてプラスに働きますが、同時に内部へのほこり・食べかす・毛の侵入経路にもなります。分解清掃には抵抗がある、という人は穴の無いソリッドシェルの軽量マウスを検討してください。また、穴あき構造は手のひらの感触が独特で、これが苦手という声は一定数あります。可能なら実機を触れる店舗で確認するのが確実です。

手が小さい人には向きません。 中〜大の手向けに設計されているため、手長 17cm 未満だと後端が浮き、サムボタンにも指が届きにくくなります。この場合、軽さのメリットよりフィット不良のデメリットが上回ります。

ケーブル直付けは長期的なリスクです。 パラコードは柔らかい反面、繰り返し曲がる根元部分は経年で傷みます。着脱式ケーブルの製品なら数百円のケーブル交換で済むところが、Model I では本体交換になります。2 年保証の範囲内かどうかも含めて、長く使う前提の人は頭に入れておいてください。

設定ソフトへの依存があります。 Glorious CORE をインストールしないと 9 ボタンの多くは初期割り当てのままで、この製品を選ぶ意味が半減します。会社の PC など、ソフトのインストールに制限がある環境で使う予定なら、事前にオンボード設定を済ませてから持ち込む必要があります。

平均 4.0 という評価の読み方。 569 件で好評率 80% ということは、およそ 5 人に 1 人は不満を持っている計算になります。軽量ハニカムマウス全般に共通する傾向として、個体差(ホイールの感触、ビルドのきしみ)に関する指摘が集まりやすいカテゴリです。初期不良に当たった場合に備え、返品対応がはっきりしている販売元から買うことを勧めます。

販売ページの表示価格と登録情報は必ず自分の目で確認してください。 上に挙げたとおり価格は取得時点によって数千円の幅があり、本記事の価格は取得時点のスナップショットにすぎません。また通販サイトの登録情報(メーカー名・型番・付属品)は稀に別商品のものが混ざっていることがあります。商品画像とタイトルが Model I 本体であることを確認したうえで注文してください。

よくある質問

Q. ワイヤレス版はありますか?
A. 本記事の対象は有線モデルです。無線モデルの有無や仕様については、メーカーの製品ページで最新のラインナップを確認してください。

Q. Mac で使えますか? A.

USB Type-A ポート(または変換アダプタ)があれば、ドライバ無しで基本動作します。ただしボタン再割り当てや RGB 設定に必要な Glorious CORE の対応状況は事前に確認が必要です。Windows 機で設定を書き込んでから Mac で使う運用が確実です。

Q. 19,000 CPI は必要ですか?
A. ほとんどの人には不要です。実用域は 800〜1600 CPI 程度で、競技系プレイヤーはさらに低い値を使うことが多いです。最大値は「余裕がある」ことの指標として捉えてください。

Q. サムボタンは取り外したままでも使えますか?
A. 交換式サムボタンは形状を選べる設計で、使わないボタンによる誤爆を減らす方向に調整できます。具体的な取り付け・取り外しの手順は同梱の説明書に従ってください。

Q. 69g は本当に体感で違いますか?
A. 90〜100g 級から乗り換えると明確に軽く感じます。ただし体感を大きく左右するのはケーブルの引っかかりで、Model I のパラコードは柔らかい部類です。マウスバンジーを併用すると軽さがさらに活きます。

Q. FPS だけをやる場合でも買う価値はありますか?
A. 買えますが、最適解ではありません。FPS 専用ならボタンが少なくシンプルな軽量マウスのほうが誤爆が減り、価格も安く済むことが多いです。Model I の価値は多ボタンと軽さの両立にあります。

おすすめユーザー

  • MMO / MOBA をメインに遊ぶプレイヤー:親指位置 4 ボタンを含む 9 個のプログラム可能ボタンで、スキルやアイテムを 1 デバイスに集約できます。12 ボタンパネル機ほどの物量は無い代わりに、69g という軽さを維持できるのが最大の利点です。
  • 中〜大の手(手長 18cm 前後以上)でパームグリップの人:人間工学シェイプとサムレストの恩恵が最も大きい層です。
  • 無線の充電・遅延管理をしたくない人:有線かつ柔らかいパラコードなので、電池残量を気にせず軽快さを得られます。
  • ゲーム以外でもショートカットを割り当てたい人:動画編集や CAD のショートカットを親指側に置く用途にも向きます。

逆に、手が小さい人、ハニカム構造の見た目・感触が苦手な人、着脱式ケーブルを必須条件とする人には勧めません。

商品情報

(Amazon参照)

  • メーカー名: GLORIOUS
  • 販売元: Amazon US
  • 出荷元: Amazon US
  • ASIN: B0B63YG8XC
  • 注記: 本記事はメーカー製造品をAmazon掲載情報に基づいて紹介しています。