概要
Glorious GMMK 2 Full Size Prebuilt(GLO-GMMK2-96-FOX-W / 国内型番 KB634)は、米国 Glorious の 99 キー「96%配列」メカニカルキーボードです。結論から言うと、テンキーは残したいがフルサイズの横幅は置きたくない人、そして買った後にスイッチを差し替えて遊びたい人に向いた製品です。逆に、日本語(JIS)配列が必須の人、ワイヤレスが必須の人、深夜に静かに打ちたい人には最初から向きません。
99 キーというキー数は「フルサイズから使用頻度の低いキーを削り、残りを詰めて並べた」結果です。テンキー・矢印キー・ファンクション行はすべて残っているため、表計算やナンバーパッド入力を伴う業務でも困りません。一方でキー同士の間の余白が詰まっているので、フルサイズ配列でクラスタ間の隙間を頼りに指を運んでいた人は、最初の数日だけ Delete と Home、テンキーの NumLock 付近で押し間違えます。
プリビルドモデルとして Glorious Fox リニアスイッチが装着済みで出荷され、キーキャップはダブルショット PBT、接続は着脱式 USB-C ケーブルによる有線、ポーリングレートは 1000Hz、フルキーロールオーバーとアンチゴースト対応です。Amazon.co.jp のレビューは 2026年5月29日取得時点で 38 件・5つ星のうち 4.4(スコアにして 88%)と高評価ですが、母数が 38 件と少ない点は割り引いて読むべきです。
互換性ガイド
必要なのは空いている USB Type-A ポート 1 つだけです。ドライバなしで OS 標準の HID キーボードとして認識されるため、Windows・macOS のどちらでも挿せば打てます。ケーブルはキーボード側が USB-C の着脱式なので、断線しても市販の USB-C to A ケーブルで代替でき、ケーブル交換によるカスタムもできます。BIOS/UEFI 画面でも通常は動作しますが、USB ハブや KVM 切替器を挟むと機種によっては起動時に認識が遅れることがあるため、トラブル時はまず本体直挿しで切り分けてください。
最大の注意点はレイアウトです。本機は英語(US / ANSI)配列で、変換・無変換・半角/全角キーがありません。Windows 側のキーボードレイアウト設定を「英語(US)」に変更しないと、記号キーの刻印と実際に入力される文字がずれます(@ が [ になる、といった典型的な症状です)。US 配列での IME 切り替えは Alt + `(半角/全角の位置にあたるキー)が既定で、macOS では ⌘ + スペースを使います。日本語入力を 1 キーで切り替えたい場合は、Glorious Core のリマップか Windows 側のユーティリティで無変換相当の役割を割り当てるのが現実的です。
カスタマイズは Glorious Core ソフトウェア(Windows / macOS 版あり)で行い、キーのリマップ、RGB バックライトのエフェクト、マクロ割り当てに対応します。ソフトウェア常駐型の設定であるため、複数台の PC を使い分ける場合は各 PC に Core を入れるか、設定を持ち歩けない前提で運用してください。ホットスワップソケットを備えており、はんだ付けなしで MX スタイルのメカニカルスイッチに交換できます。ただし対応するステム形状やピン数の詳細は世代・ロットで案内が異なることがあるため、スイッチを買い足す前に製品ページかメーカーの案内で確認することをおすすめします。
コンソール機(PS5 / Xbox)については公式に動作保証された製品ではありません。HID キーボードとして文字入力だけ通るケースはありますが、購入理由にはしないでください。
商品情報
主要スペックは次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| キー数 | 99(96%配列) |
| スイッチ | Glorious Fox Linear(ホットスワップ対応) |
| キーキャップ | ダブルショット PBT |
| 接続 | USB 有線(USB-C 着脱可能ケーブル) |
| ポーリングレート | 1000Hz |
| キーロールオーバー | フルキーロールオーバー / アンチゴースト |
| バックライト | RGB(Glorious Core でカスタマイズ) |
| レイアウト | 英語(US 配列) |
| 対応 OS | Windows / macOS |
| 保証 | 2 年 |
この構成で効いてくるのはダブルショット PBT と 1000Hz の 2 点です。ダブルショットは文字を樹脂の二色成形で作るため、印字が塗装のように削れません。ABS の昇華・レーザー刻印キーキャップで数年後にテカリと文字消えを経験した人ほど、この違いは体感できます。1000Hz ポーリングは 1ms 間隔でキー入力を送る設定で、競技系 FPS や音ゲーで意味を持つ数字ですが、事務作業では 125Hz との差を体感できる人はまずいません。
価格は取得時点で次のとおりでした。Amazon.co.jp が 2026年5月29日取得時点で ¥13,462、同じ ASIN で 2026年8月27日取得時点では ¥14,045 です。約 3 か月で 600 円弱動いており、この製品は価格が固定ではないことがわかります。並行輸入の相場としては eBay US で 2026年7月8日取得時点に $107.99 の出品がありましたが、送料・関税・保証対応を考えると国内正規流通(型番 KB634、メーカー保証 2 年)を選ぶ理由のほうが大きいでしょう。いずれの金額も取得時点のもので、セールや為替で変動します。購入前に必ず商品ページで最新価格を確認してください。
付属品は USB ケーブルのみで、キーキャッププラーとスイッチプラーは含まれません。ホットスワップを活用するつもりなら、これらは別途用意する前提で予算を組んでおくと後悔しません。
実際の使用感とレビュー評価
Fox はリニア軸です。押下の途中に「コクッ」というタクタイル感がなく、底まで一直線に沈みます。ゲームでの連打や素早い押し戻しには有利ですが、タイプ時に「どこで入力されたか」を指で確認できないため、タクタイル軸(茶軸系)から乗り換えると最初はタイプミスが増えます。また、リニア=静音ではありません。スイッチの摩擦音は小さくても、キーキャップがボトムアウトしてハウジングに当たる音は残るため、同室に人がいる環境や通話中の使用では相応の打鍵音が出ます。
レビューは 2026年5月29日取得時点で 38 件・4.4/5(88%)。数字としては良好ですが、38 件は「傾向を見る」には足りても「初期不良率を推し量る」には少ない母数です。高評価の中身としては、この価格帯でホットスワップと PBT キーキャップが両立している点が支持されていると読めます。逆にレビューで割れやすいのは US 配列と打鍵音、そしてソフトウェアの使い勝手という、この製品カテゴリで定番の論点です。
競合製品との比較
同じ価格帯で比較対象になりやすいのは、Keychron C1 のようなホットスワップ対応の有線 TKL、Womier K87 のようなカスタム寄りの 80% 配列、そして Redragon K686 PRO SE のような 98 キーのワイヤレス機です。GMMK 2 96% の立ち位置は「テンキーを捨てずに省スペース化し、かつ後からスイッチを変えられる有線機」で、テンキー不要なら TKL や 75% のほうが安く小さく収まります。
国内で日本語配列が絶対条件なら、そもそも土俵が違います。REALFORCE R3S のような JIS 配列・静電容量無接点方式の製品は打鍵感も価格帯も別物ですが、「変換キーが無いと業務が回らない」なら比較する前に配列で決めるべきです。逆に、すでに US 配列に慣れていてカスタム前提で選ぶなら、GMMK 2 のホットスワップは後から支出を追加して育てられる点で有利です。
おすすめユーザー
メカニカル入門で、失敗したくない人。 プリビルドなのでスイッチ選定も組み立ても不要で、箱から出して挿せば使えます。それでいてホットスワップなので、「リニアが合わなかった」となっても本体を買い直さずスイッチだけ交換して修正できます。入門機で最も多い失敗は軸選びのミスなので、この復旧手段があるのは大きな安心材料です。
テンキーを使うが、デスクは広くない人。 経理・データ入力・CAD など数値入力が多い業務では、テンキーレスに移行するとテンキーパッドを別途置くことになり、結局場所を食います。96% 配列はその折衷案として実用的です。
すでに US 配列で作業している開発者・ゲーマー。 記号配置がプログラミング寄りで、Glorious Core でのリマップも効きます。1000Hz ポーリングとフルキーロールオーバーは、同時押しが多いゲームで素直に効きます。
購入前の注意点
日本語配列ではありません。 これが返品理由の筆頭になり得るポイントです。かな入力を使う人、変換・無変換キーで IME を切り替える癖がある人、職場の共有 PC で使う人は、慣れるまでの生産性低下を必ず見込んでください。Windows のレイアウト設定を US に変更する作業も必要で、これを忘れると記号キーがすべてずれます。
リニア軸は静音キーボードではありません。 「クリック音がしない=静か」と誤解して買うと、ボトムアウト音の大きさで後悔します。深夜のアパートや、マイクを常時オンにする配信・会議用途では、静音リング(O リング)や静音軸への交換を前提に考えてください。ホットスワップ対応なので後から静音軸に替えられるのは救いです。
有線専用です。 Bluetooth も 2.4GHz ワイヤレスもありません。タブレットと併用したい、デスクからケーブルを減らしたい、という動機がある場合は候補から外してください。
付属品が最小限です。 キーキャッププラー・スイッチプラーは同梱されないため、キーキャップ交換やスイッチ交換をするつもりなら別途購入が必要です。プラーを使わず爪でキーキャップを外そうとしてスイッチのステムを折る、というのがこのジャンルで最も多い自損事故です。
価格が動きます。 上に書いたとおり、同じ ASIN でも 2026年5月と 2026年8月で価格が変わっていました。記事中の金額はあくまで取得時点の参考値として扱い、購入判断は必ず商品ページの現在価格で行ってください。
商品ページの登録情報は鵜呑みにしないでください。 Amazon の商品ページは、メーカー名・型番・スイッチ種別などの登録情報が実際の出荷品と食い違っていることがあります。特に GMMK 2 は 65%(キー数 69)と 96%(キー数 99)でバリエーションがあり、スイッチも Fox のほか複数種類が存在します。注文前に、商品画像とタイトル、そして選択中のバリエーション表示で「99 キー / Fox / White」であることを自分の目で確認してください。
よくある質問
Q. 日本語入力(かな漢字変換)はできますか。 A.
できます。ただし US 配列なので、既定の切り替えは Alt + `(macOS は ⌘ + スペース)になります。変換・無変換キーは物理的に存在しません。Windows の「キーボードレイアウト」を英語(US)に設定するのを忘れないでください。
Q. 静かですか。
A. クリック音のないリニア軸ですが、打鍵音そのものは相応にあります。静音を最優先するなら、静音軸への交換か O リングの追加を前提にしてください。
Q. スイッチはどれでも交換できますか。 A.
ホットスワップソケット搭載で、はんだ付けなしに MX スタイルのスイッチへ交換できます。ピン数やステム形状の対応範囲は世代によって案内が異なることがあるため、まとめ買いする前に 1 種類だけ試すか、製品ページで対応を確認してください。
Q. Mac で使えますか。
A. 使えます。Glorious Core も macOS 版が提供されています。ただしキー刻印は Windows 配列基準なので、⌘ / ⌥ の位置は OS 側のモディファイア設定で入れ替えると使いやすくなります。
Q. 保証はどうなりますか。
A. 国内正規流通品(型番 KB634)はメーカー保証 2 年です。並行輸入品を購入した場合、この保証を国内で受けられるとは限らないため、価格差だけで判断しないでください。
Q. テンキーレスと迷っています。
A. 数字入力が日常業務にあるなら 96% を、無いなら TKL や 75% を選んだほうが省スペースと価格の両面で有利です。「たまに使う」程度なら、テンキーレス+別体テンキーより本機のほうが結局まとまります。
商品情報
(Amazon参照)
- メーカー名: GLORIOUS
- 販売元: Amazon.co.jp
- 出荷元: Amazon.co.jp
- ASIN: B096CSSHSF
- 注記: 本記事はメーカー製造品をAmazon掲載情報に基づいて紹介しています。





