ゲーム概要
Wolfenstein: The New Order は、MachineGames が開発し 2014年5月20日に配信されたシングルプレイ専用の一人称視点シューターです。舞台は「第二次世界大戦でナチスが勝利してしまった世界」で、プレイヤーは長年シリーズの主役を務めてきた B.J.
ブラスコビッチとして、支配体制の中枢を内側から崩していきます。プレイの流れは、章ごとに用意された施設・都市・要塞へ潜入し、道中の敵を排除しながら奥へ進み、章の終わりにボスや大型兵器と対峙するという構成です。オープンワールドではなく明確に区切られたステージを順に進める一本道型で、寄り道要素は隠し部屋や収集品の探索に限られます。
シリーズの出発点である Wolfenstein 3D や Return to Castle Wolfenstein の「敵をまとめて撃ち倒す」爽快感を残しつつ、本作はドラマ部分に大きく比重を置いているのが特徴です。戦闘の合間には拠点での会話イベントが挟まり、レジスタンス側の人物同士の関係や、占領下の生活の描写にかなりの尺が割かれます。撃つだけの作品を期待して始めると、この会話パートを長く感じる可能性があります。
特徴・システム
最大の個性は、ステルスと正面突破のどちらでも進められる設計です。多くのステージには指揮官(コマンダー)が配置されており、彼らを静かに始末する前に発見されると、周囲の敵が次々と増援として呼び寄せられます。ナイフによる背後からの排除やサイレンサー付き拳銃を使い、まず指揮官を潰してから残りを掃討する、という遊び方が成立します。逆に開幕から撃ち始めて、増援ごとまとめて相手にする力押しも成立するため、同じステージを別の方針で二度遊んでも印象が変わります。
武器はほぼすべてを二丁持ちできます。アサルトライフル二丁、ショットガン二丁といった構成で弾幕を張れる一方、二丁持ち中はリロード時間も倍近くかかり、精度も落ちます。遮蔽物からの覗き撃ち(リーン)が用意されているので、二丁持ちで押し切る局面と、片手持ちで正確に頭部を狙う局面を切り替える判断が求められます。体力は自動回復ではなく、一定量までしか戻らない段階式で、上限を超えた分は徐々に減っていく仕組みです。回復アイテムと防具を拾い集める、やや古典的な資源管理が残っています。
スキルは「実績を解除すると伸びる」タイプです。ナイフで一定数を倒す、爆発物でまとめて倒す、しゃがみ状態で倒すといった条件を満たすと、その系統の能力が強化されます。得意な戦い方を続けると自然にその方向が伸びるため、プレイスタイルがそのまま育成になります。
もうひとつ触れておくべきなのが、序盤で発生する二者択一です。プレイヤーの選択によって以降のストーリーで同行する人物と、解放されるサブ能力(鍵開け系か、遠隔ハック系か)が変わります。片方しか体験できない要素なので、周回前提で作られている部分でもあります。
序盤の進め方
難易度は複数用意されていますが、初回は中程度を選び、まず指揮官を優先して倒す癖をつけるのが安定します。ステージ内には敵の配置図に相当するアイテムが落ちており、これを取ると指揮官の位置がマップに表示されます。潜入で進めたい場合は最初に探すべき対象です。隠し通路の多くは壁の裏や換気ダクトで、金属製のグレートに近づくと開けられる場所があります。収集品の一部は、探索を前提としたルート外の小部屋に置かれています。
動作環境の目安
公表されている最低動作環境は、OS が 64bit 版の Windows 7 / Windows 8、CPU が Intel Core i7 または同等の AMD 製プロセッサ、メモリ 4 GB、GPU が GeForce 460 または ATI Radeon HD 6850、ストレージ空き容量 50 GB です。発売当時の基準としては CPU 要求が高めに書かれていますが、これは id Tech 5 系エンジンがテクスチャのストリーミングを常時行うため、CPU とストレージ側の帯域が効いてくる設計であることに由来します。逆に GPU 要求は控えめで、GeForce 460 世代が目安として挙げられている点からも、現行世代の内蔵グラフィックスでもフル HD で動かせる余地は十分にあると考えられます。
実務上いちばん引っかかるのは 50 GB のストレージです。容量そのものというより、読み込み速度の影響が大きいタイプの作品なので、可能なら HDD ではなく SSD に置くことをおすすめします。テクスチャの張り替えが追いつかないと、視点を振った直後に地形や壁のディテールが数秒遅れて出てくる、いわゆるポップインが目立ちます。これはエンジン側の仕様に近い挙動なので完全には消えませんが、SSD に置くだけで体感は明確に改善します。
メモリは最低表記が 4 GB ですが、これは Windows 7 時代の値です。現在の OS とブラウザを併用する環境なら 8 GB 以上を用意しておくのが現実的です。なお推奨環境の数値は今回参照できるデータに含まれていないため、上記は最低環境からの推定として読んでください。詳細はストアの動作環境欄で確認してください。
評価・レビュー傾向
配信から長い年月が経ちましたが、本作は一貫して高い支持を保っています。肯定的な声で繰り返し挙がるのは、まず物語と演出の質です。荒唐無稽な設定をコメディに逃げずに扱い、占領下の暮らしや主人公の内面をきちんと描いているため、「シューターに期待していなかったものが出てきた」という驚きとして語られます。次に多いのが、二丁持ちの手触りと、ステルスと力押しを行き来できる自由度への評価です。武器ごとに反動や音の質感が作り分けられており、撃つ行為そのものが気持ちいいという指摘は多く見られます。
否定的な意見として挙がりやすいのは、まず進行が一本道であること。分岐する探索や広いマップを求める人には物足りません。次に、後半のいくつかの章でテンポが落ちる点。会話とムービーの比重が上がるため、戦闘の連続を求めていると停滞感を覚えます。また敵の人工知能は突出して賢いわけではなく、遮蔽の使い方が甘い場面もあります。技術面では、前述したテクスチャのポップインが古さとして語られることがあります。マルチプレイヤーが存在しないことへの不満も一定数見られますが、これは開発方針としてシングル専用に振り切った結果です。
こんな人におすすめ
- ストーリーを最後まで見届けるタイプのシングルプレイ FPS を探している人
- ステルスで静かに片づける遊びと、二丁持ちで正面から押す遊びを、その日の気分で選びたい人
- 撃ち味の作り込み、武器ごとの手触りの違いを重視する人
- 数十時間の周回より、二桁時間で完結する密度の高い体験を望む人
- 現行世代としては控えめな GPU 構成の PC で、見栄えのする FPS を遊びたい人
注意点・向かない人
まず、オンライン対戦や協力プレイは一切ありません。友人と遊ぶ用途では選択肢に入りません。ここが目的ならマルチプレイ主体の作品を選ぶべきです。
次に、題材が重いことです。ナチス占領下という設定を扱うため、収容施設、人体実験、処刑といった描写が直接的に登場します。演出は残虐表現も含めて容赦がなく、苦手な人には強い負荷になります。雰囲気の軽いシューターを探している人には向きません。
三つ目に、自由度の期待値のずれです。マップは章ごとに閉じており、探索できる範囲は決まっています。オープンワールドの散策や、ビルド構築の自由度を求める人には狭く感じられます。育成も実績解除に紐づく直線的な強化で、装備の組み合わせを練るような遊びは薄いです。
四つ目に、日本語対応の有無について。今回参照できるデータには対応言語の情報が含まれていないため、日本語で遊べるかどうかは断定できません。字幕や音声の言語は、購入前にストアページの対応言語欄で必ず確認してください。ここは判断に直結する項目なので、確認を省かないほうが安全です。
最後に、ストレージと導入のハードルです。50 GB を確保でき、できれば SSD に置ける環境かどうかを先に見ておいてください。容量に余裕のないノート PC では、それだけで導入を諦める理由になり得ます。逆に言えば、その条件を満たせるなら、要求される GPU 性能自体は現在では低い部類なので、導入の敷居は高くありません。





