概要
RAIJINTEK FORKIS PRO RBW は、アドレサブル RGB(レインボー)LED を内蔵したフル銅製の CPU ウォーターブロックです。結論から言うと、これは「オールインワン水冷(簡易水冷)」ではなく、自分でポンプ・リザーバー・ラジエーター・チューブを組み合わせるカスタムループ用の部品です。ポンプもラジエーターも付属しないため、これ単体では CPU を冷やせません。ここを取り違えると開封した瞬間に困ることになるので、最初に押さえてください。
構造面の特徴は 2 つです。ひとつは合金ロウ付けによる接合で、銅部品同士だけを接合することで異種金属接触(ガルバニック腐食)のリスクを抑えている点。もうひとつは内部の 3D マイクロフィン構造で、冷却水と接する表面積を稼いで熱交換効率を高める設計です。外装にはニッケル加工と鏡面研磨が施されており、見た目重視のビルドにも収まります。対応ソケットは Intel LGA1700 と AMD AM5 の 2 つです。
互換性ガイド
対応ソケットは公表データ上 LGA1700 と AM5 のみです。つまり第 12〜14 世代 Core と Ryzen 7000 番台以降のプラットフォームが対象で、LGA1200 や AM4 のマウントは含まれていないと考えてください。旧世代機からの流用や、HEDT(Threadripper など)での使用は想定外です。手持ちのマザーボードのソケットを、購入ボタンを押す前に必ず確認してください。
ポートは水冷業界標準の G1/4 インチスレッドです。ここが標準規格である意味は大きく、フィッティングやチューブのメーカーを揃える必要がありません。ハードチューブでもソフトチューブでも、G1/4 対応のフィッティングであれば基本的に組み合わせられます。ただしコンプレッションフィッティングは径が太いものが多く、CPU ソケット周辺の VRM ヒートシンクや、背の高いメモリと干渉することがあります。特に Mini-ITX や Micro-ATX の板では、ポートの向きとフィッティングの外径を実測してから決めるのが安全です。
ライティングは 5V 4 ピン ARGB 仕様です。マザーボード側の 5V 3 ピン ARGB ヘッダー(Gen1 の 4 ピン形状で 1 ピン欠けのもの)に接続して同期させる想定で、ASUS Aura Sync や MSI Mystic Light、GIGABYTE RGB Fusion、ASRock Polychrome といった各社ユーティリティから制御する使い方が一般的です。注意すべきは、12V 4 ピン RGB ヘッダーとは互換性が無いという点です。形状が似ているため挿してしまう事故が多く、12V を 5V デバイスに流すと LED が焼損します。マザーボードのヘッダー横のシルク印刷(5V / 12V)を必ず確認してください。ARGB ヘッダーが無い、あるいは埋まっている場合は、別途 ARGB コントローラーやハブを用意する必要があります。
消費電力は 3W と公表されています。これはブロック本体ではなく LED の消費分と考えるのが自然で、電源容量の計算に影響するレベルではありません。推奨電源容量のデータも 0W(=指定なし)となっており、電源選定はブロックではなく CPU と GPU、そしてポンプの合計で考えてください。
商品情報
価格は 2026 年 5 月 27 日取得時点で Amazon JP にて ¥9,150 です。水冷ブロックは為替と在庫状況で価格が動きやすく、記事は更新されないまま残るため、実際に買う際は必ず商品ページで最新価格を確認してください。海外向けの表示も同一 ASIN・同一価格が取得されており、eBay 側は検索結果ページのため個別価格は出ていません。ARGB 内蔵かつフル銅・ニッケル鏡面仕上げのブロックとしては、1 万円を切る価格帯はミドルクラスに位置します。上位ブランドの同等品は 1.5〜2 万円台になることが多いため、価格対性能では戦える位置にあります。
公表スペックは騒音レベル 45 dBA、消費電力 3W、対応電圧 5V の 3 項目です。ここで一言添えておくと、**CPU ウォーターブロックは可動部を持たないため、それ自体は音を出しません。**元の商品情報にある 45 dBA という数値は、出品情報のフォーマット上入力された値と考えるのが妥当で、「この製品が 45 dBA の音を出す」とも「静音である」とも読むべきではありません。ループの騒音を決めるのはポンプの振動とラジエーターファンの回転数であり、ブロックの選択はほとんど影響しません。静音を狙うなら、ポンプの回転数制御とファンの選定に予算を割いてください。
付属品は ARGB ケーブル類と取り付けに必要な基本パーツです。フィッティング・チューブ・クーラント・ポンプ・ラジエーターは含まれないため、初めてカスタムループを組むなら、これらの合計予算で考える必要があります。保証期間についてはメーカー公式サイトで確認してください。
レビュー評価は 2026 年 5 月時点で 15 件・5 つ星のうち 3.3(好評率 66%) です。件数が 15 件しかないため、統計的にはかなり心細いサンプルです。高評価にも低評価にも 1 件の重みが大きく出るので、平均点そのものより、個別レビューが「初期不良」の話をしているのか「見た目の期待外れ」の話をしているのかを読み分けたほうが有益です。少なくとも、レビュー数千件の定番製品と同じ感覚で「星 3.3 だから地雷」と判断するのは早計です。
実際の使い方と組み込みの流れ
カスタムループでの一般的な手順は、①ブロックをマザーボードに仮組みしてフィッティングの干渉を確認 →②ラジエーターとポンプ/リザーバーをケースに固定 →③チューブを取り回して接続 →④PC の電源は入れずに ポンプだけを単独給電してリークテスト(24 時間が目安)→⑤問題なければ配線して起動、という流れです。リークテストを省略する人が一定数いますが、ここを飛ばして水がマザーボードに落ちると被害額はブロックの何倍にもなります。
サーマルペーストは米粒大を中央に 1 点、というのが一般的な塗り方です。取り付けの際はネジを対角線順に少しずつ均等に締め、片側だけ強く締めないようにしてください。銅ベースは柔らかく、過度なトルクは平面度を損ないます。
競合との位置づけ
同価格帯の選択肢としては、国内で流通量の多いブランドのアクリル+銅ベースのブロックが競合になります。本製品の差別化点は「フル銅+合金ロウ付け」で、アクリルトップの製品に比べて割れや経年でのクラックのリスクが構造的に低い点です。一方で、アクリルトップの製品は内部の流路と冷却水が見えるという視覚的な魅力があり、ここは好みが分かれます。中を見せたいビルドなら、フル銅の本製品は候補から外れます。
冷却性能そのものについては、公表データに温度の実測値が含まれていないため、本記事では断定できません。一般論として、現行世代の CPU ウォーターブロック同士の温度差はラジエーター面積や流量ほど大きくならない傾向がありますが、実際の数字はレビューサイトの実測を確認してください。
おすすめユーザー
すでにカスタム水冷を組んでいる、またはこれから組む予定があり、LGA1700 か AM5 を使っている人にもっとも向きます。フィッティングを G1/4 で揃えている環境なら、そのまま置き換えられます。加えて、マザーボードの ARGB と発光を同期させて内部の色を統一したい人、アクリルの経年劣化を嫌ってフル銅の堅牢さを取りたい人にも合います。予算的には「ハイエンドブランドのブロックに 2 万円は出せないが、無銘の格安品は避けたい」という中間層にちょうど収まる製品です。
購入前の注意点
**最大の落とし穴は、これが単体で完結しない部品だという点です。**ポンプ・リザーバー・ラジエーター・フィッティング・チューブ・クーラントを別途揃える必要があり、初めて組むなら本体価格の数倍の追加予算を見込んでください。「9,150 円で水冷にできる」と読むと確実に失敗します。手軽に水冷を導入したいだけなら、簡易水冷(AIO)を買うほうが安く、速く、失敗しません。
ソケット非対応も定番の失敗です。**LGA1200 / AM4 世代のマシンには使えないと考えてください。**マウント金具の追加販売があるかどうかはメーカー公式で確認が必要です。同様に、12V RGB ヘッダーへの誤挿しによる LED 破損も起きがちなトラブルなので、5V の刻印確認を徹底してください。
データの取り違えについても触れておきます。この製品の登録カテゴリは「ケースファン」として扱われている一方、実体は CPU ウォーターブロックです。同様に、スペック欄の騒音レベル 45 dBA も、可動部の無いブロックの値としては整合しません。**商品ページ側の登録情報は正確でないことがあるので、必ず製品画像と製品名で対象を確認してから購入してください。**ファンやラジエーターが写っていない=ブロック単体、という判断がここでは有効です。
もう一点、冷却水の管理は継続的なメンテナンスを伴います。一般にクーラントの交換や内部の洗浄は年 1 回程度が目安とされ、フィッティングの緩みの点検も必要です。「組んだら終わり」ではないことを許容できる人向けの構成です。
よくある質問
Q. これだけ買えば CPU を水冷にできますか?
A. できません。ポンプ、リザーバー、ラジエーター、フィッティング、チューブ、クーラントが別途必要です。本製品はループの一部品です。
Q. AM4 や LGA1200 で使えますか?
A. 公表されている対応ソケットは LGA1700 と AM5 のみです。旧ソケットでの使用は想定されていないため、対応マウントの有無をメーカー公式で確認してください。
Q. マザーボードに ARGB ヘッダーがありません。光らせられますか?
A. 別売の ARGB コントローラー(電源から直接給電し、ボタンやリモコンで制御するタイプ)を使えば発光自体は可能です。ただしマザーボードのユーティリティとの同期はできません。
Q. 12V RGB ヘッダーに挿しても大丈夫ですか?
A. 挿さないでください。本製品は 5V 仕様で、12V を流すと LED が損傷します。ヘッダー横の電圧表記を必ず確認してください。
Q. 騒音 45 dBA と書かれていますが、うるさいのでしょうか?
A. ウォーターブロックには可動部が無く、それ自体は音を出しません。ループの騒音はポンプとラジエーターファンで決まります。この数値は登録情報上の値として扱ってください。
Q. レビュー評価が 3.3(15 件)ですが、避けたほうがいいですか?
A. 件数が少ないため平均点の信頼区間はかなり広く、数千件の製品と同列には比較できません。星の数だけでなく、個々のレビューが何を問題視しているかを読んで判断することをおすすめします。
商品情報
(Amazon参照)
- メーカー名: RAIJINTEK
- 販売元: RAIJINTEK CO., LTD.
- 出荷元: Amazon
- ASIN: B08TBQFPPR
- 注記: 本記事はメーカー製造品をAmazon掲載情報に基づいて紹介しています。





