この記事では Cooler Master 240L Core AIO CPU液体クーラーを、公表スペックと販売ページのデータをもとに掘り下げて紹介します。

概要

Cooler Master 240L Core AIO は、240mm ラジエーターと 120mm ARGB PWM ファン 2 基を組み合わせた、エントリー〜ミドルレンジ向けの一体型水冷(AIO)CPU クーラーです。特許取得済みの Gen S デュアルチャンバーポンプを採用し、対応ソケットは AMD AM5 / AM4 と Intel LGA 1851 / LGA 1700。結論から書くと、Ryzen 5 / 7 や Core i5 / i7 クラスを常識的な電力設定で運用しつつ、ARGB で内部の見栄えも整えたい人に向く製品です。

逆に、最上位クラスの CPU を電力上限まで解放して常時フルロードで回したい人や、ラジエーターを収める余裕が少ないケースを使っている人には向きません。その場合は 360mm クラスの AIO か、大型のデュアルタワー空冷を検討したほうが結果的に安く静かに収まります。

販売ページのレビューは 2026 年 5 月 31 日取得時点で 214 件、5 つ星のうち 4.5(好評率 90%)でした。件数としては極端に多くはありませんが、評価は安定して高い部類です。

主要スペックの読み方

項目 実用上の意味
ラジエーターサイズ 240mm 120mm ファン 2 基分。ミドルタワーの多くで前面/天面に搭載可能
ファン数 2 標準でプッシュ構成。追加ファンでサンドイッチ化も可能
最大ファン回転数 1495 RPM AIO 用としては控えめ。回転数で殴るタイプではない
騒音レベル 27.2 dBA 最大回転時の公称値。静音寄りの設計
ポンプ消費電力 3.96 W / 12 V 一般的な AIO ポンプの範囲内
寸法 33 x 23.9 x 13.7 cm 梱包を含む値と見られるため、実装スペースの判断には使わないこと

注目すべきは最大 1495 RPM・27.2 dBA という組み合わせです。ハイエンド AIO の多くは 2000 RPM を超える高回転ファンで冷却性能を稼ぎますが、本機はそこまで回さない代わりに騒音を抑える設計になっています。つまり「限界性能を狙う製品」ではなく「日常的に静かなまま、240mm 相当の余裕を確保する製品」と理解するのが正しい位置づけです。この性格を取り違えると、購入後に「思ったほど冷えない」と感じる原因になります。

互換性ガイド

対応ソケットは AMD AM5 / AM4、Intel LGA 1851 / LGA 1700 の 4 種です。AM5 と AM4 はバックプレートを共用するため取り付け方法もほぼ同じで、Intel 側は LGA 1700 と LGA 1851 が同じマウントホール配置のため 1 セットのブラケットでカバーされます。逆に言うと、リストに無いソケット(LGA 1200 / 115x 系、AMD の TR4 / sTRX4 など)は非対応と考えてください。 旧世代機の延命目的で買うと、ブラケットが合わずに詰みます。

電源・信号系のコネクタは 3 種類必要です。ポンプ用の 3 ピン電源、ファン用の PWM(4 ピン)、そして ARGB 用の 5V 3 ピン(アドレサブル)ヘッダーです。ここで一番つまずきやすいのが ARGB ヘッダーで、12V 4 ピン(RGB)ヘッダーとは互換性がありません。 形状が似ているため誤挿ししやすく、12V 側に挿すと LED を壊す恐れがあります。マザーボード側に 5V 3 ピンヘッダーがあるかを、購入前にマニュアルで確認してください。ヘッダーが無い場合でも冷却自体は機能しますが、発光の制御はできません。

物理的な収まりについては、240mm ラジエーターは一般的なミドルタワーの前面、または天面に搭載できることがほとんどです。ただし次の 3 点は事前確認が必要です。第一に、天面搭載時のマザーボード VRM ヒートシンクとの干渉。第二に、前面搭載時のドライブベイやフロントファンとの干渉。第三に、背の高いメモリを使っている場合のチューブの取り回しです。なお仕様欄の 33 x 23.9 x 13.7 cm は梱包込みの寸法と見られるため、ケース側のクリアランス判断には使わず、必ずメーカー製品ページのラジエーター実寸(厚みを含む)と、お使いのケースの対応表を突き合わせてください。

冷却性能はどのくらい見込めるか

公表されている数値は回転数・騒音・ポンプ電力までで、具体的な冷却 W 数や温度データは付属していません。そのため断定は避けますが、240mm クラスの AIO は一般に、ミドルレンジ CPU(Ryzen 5 / 7、Core i5 / i7 相当)の標準設定を常用域で扱うのに十分とされる構成です。ゲームや一般的なクリエイティブ作業のように負荷が断続的な用途では、余裕を持って運用できると考えてよいでしょう。

一方で、長時間 100% 負荷が続く用途(レンダリング、動画のバッチエンコード、大規模ビルド)や、電力上限を引き上げたオーバークロック運用では、1495 RPM 上限という控えめなファンが効いてきます。冷却が足りない場合、通常はファンを回して補いますが、本機はその「伸びしろ」が少ない設計です。恒常的な高負荷が主用途なら、最初から 360mm クラスを選ぶのが妥当な判断です。

商品情報

価格は、2026 年 5 月 31 日取得時点で Amazon JP が ¥19,784、2026 年 7 月 16 日取得時点で eBay US が $39.99 でした。いずれも取得時点の値であり、セールや為替、在庫状況で変動します。 特に AIO クーラーは値動きが大きいカテゴリなので、購入前に必ず商品ページで最新の価格を確認してください。日本国内価格と海外マーケットプレイス価格に大きな開きがありますが、海外出品は状態(新品/中古/返品品)や送料・関税の扱いが出品ごとに異なるため、単純比較はできません。

構成としては 240mm ラジエーター、120mm ARGB PWM ファン 2 基、Gen S デュアルチャンバーポンプ、CryoFuze サーマルペースト、AMD / Intel 両対応のマウントキットが基本セットです。CryoFuze があらかじめ付属するため、別途グリスを買わずに組み始められます(ただし塗り直し用に単体のグリスを 1 本持っておくと、後々のメンテナンスで困りません)。保証期間は本記事で参照したデータには含まれていないため、購入前にメーカー製品ページまたは販売店の表記で確認してください。

レビュー評価は前述のとおり 214 件で好評率 90%(5 つ星のうち 4.5、2026 年 5 月 31 日取得時点)。この価格帯の AIO としては信頼できる水準ですが、AIO は個体差とポンプの経年が評価を左右する製品カテゴリでもあるため、レビュー件数が数千件規模の定番品ほどの母数はない点は頭に入れておいてください。

競合製品と比べてどうか

同価格帯には、同じ Cooler Master の MasterLiquid Core II 240 のような後継・並行モデルがあり、240mm AIO の選択肢は非常に多い市場です。240L Core AIO の立ち位置は「Gen S ポンプ+ARGB ファンを、控えめな騒音値でまとめた素直な 1 台」であり、突出した尖った特徴で選ぶ製品ではありません。

実は、この価格帯で最大の競合は他社の AIO ではなく デュアルタワー空冷 です。同等かそれ以下の価格で、ポンプという可動部品を持たない分だけ寿命リスクが低く、冷却性能でも 240mm AIO と拮抗するケースがあります。それでも AIO を選ぶ理由は、CPU 周辺の空間が空くこと、メモリやマザーボードのヒートシンクと干渉しないこと、そして見た目です。この 3 点に価値を感じないなら、空冷を選んだほうが合理的です。

おすすめユーザー

次のような人に向いています。

  • 初めて水冷を導入する人 — 対応ソケットが AM5 / AM4 / LGA 1851 / 1700 と現行世代に絞られており、マウントで迷いにくい構成です。
  • 静音を優先したい人 — 最大 1495 RPM・27.2 dBA という設計は、常用時に耳につきにくい方向に振られています。
  • ミドルレンジ構成のゲーミング PC を組む人 — Ryzen 5 / 7、Core i5 / i7 クラスの常用設定に対して素直な選択肢です。
  • 大型空冷がメモリやケースと干渉して使えない人 — CPU 周辺の空間を確保できるのは AIO の明確な利点です。
  • ARGB で内部を光らせたい人 — 5V 3 ピンヘッダーがあるマザーボードなら、ファン 2 基分の発光を制御できます。

購入前の注意点

1. ARGB ヘッダーの規格を必ず確認する。 前述のとおり 5V 3 ピン(アドレサブル)が必要です。12V 4 ピンしか無いマザーボードでは光らせられず、誤挿しは故障の原因になります。組み始めてから気づくと配線をやり直すことになるので、注文前にマニュアルを開いてください。

2. ケースのクリアランスは実寸で確認する。 仕様欄の 33 x 23.9 x 13.7 cm は梱包を含む値と見られ、そのままケース適合の判断に使うと誤ります。ラジエーターの厚み+ファン厚、天面搭載時の VRM ヒートシンクとの干渉、前面搭載時のドライブベイ位置の 3 点は、必ずケース側の対応表と突き合わせてください。「240mm 対応」と書いてあっても、厚みまで含めると入らないケースは実在します。

3. AIO は消耗品だと割り切る。 ポンプは可動部品であり、数年単位で異音や性能低下が出る可能性があります。空冷ならファン交換で済む部分が、AIO ではユニットごとの交換になります。「長く使う 1 台」を求めるなら、この点は空冷に分があります。

4. 高負荷常用や OC 前提なら選択肢を上げる。 1495 RPM という上限は静音側に振った設計で、冷却が足りないときに回転数で押し切る余地が小さいという裏返しでもあります。レンダリングや長時間エンコードが主用途なら、最初から 360mm クラスを見てください。

5. 商品ページの登録情報を鵜呑みにしない。 通販サイトの商品情報は、型番・メーカー名・付属品の記載が別モデルのものと入れ替わっていることがあります。特に AIO は「240 / 280 / 360」「無印 / ARGB / 白モデル」と派生が多く、混同が起きやすいカテゴリです。注文前に、商品画像とタイトル、そしてラジエーターサイズの表記が、自分の買いたいモデルと一致しているかを目視で確認してください。 価格も取得時点から変動しているのが普通ですので、金額はページ側の最新表示を基準にしてください。

6. マウント時のグリス量と締め付け順に注意する。 CryoFuze は付属しますが、塗りすぎ・少なすぎはどちらも温度に響きます。ブラケットのネジは対角線順に少しずつ締め、片締めしないこと。AIO で「冷えない」と言われるケースの多くは、製品ではなく取り付けが原因です。

よくある質問

Q. LGA 1200 や LGA 115x のマザーボードで使えますか? A.

公表されている対応ソケットは AMD AM5 / AM4 と Intel LGA 1851 / LGA 1700 のみです。それ以外は対応外と考えてください。変換ブラケットの流用は保証外になるため推奨しません。

Q. ARGB ヘッダーが無いマザーボードでも動きますか?
A. 冷却機能は問題なく動作します。ただし発光の制御はできません。5V 3 ピンヘッダーが無い場合は、対応する外部コントローラーの有無を製品ページで確認してください。

Q. ラジエーターは前面と天面のどちらに付けるべきですか? A.

一般論として、前面吸気はラジエーターに冷たい外気が当たるため CPU 温度に有利で、天面排気はケース内温度と GPU に有利です。静音重視かつ CPU 温度を優先するなら前面、内部の熱をためたくないなら天面、という選び分けになります。どちらもチューブが下側に来る向きのほうが、ポンプへの気泡混入を避けやすいとされています。

Q. どのくらいの CPU まで組み合わせられますか? A.

240mm クラスの AIO は、一般にミドルレンジ CPU の標準設定に対して余裕のある構成です。ただし本製品固有の冷却 W 数は公表データに含まれていないため、断定はできません。電力上限を解放した最上位 CPU を常用するなら、360mm クラスを検討するのが安全です。

Q. 価格はいくらですか? A.

2026 年 5 月 31 日取得時点で Amazon JP が ¥19,784、2026 年 7 月 16 日取得時点で eBay US が $39.99 でした。いずれも取得時点の値で、現在の価格とは異なる可能性が高いため、必ず商品ページで確認してください。