サンワダイレクトの700-TAP036は、7個口・コード長5m・3P(3極接地)・雷ガード・マグネット・一括スイッチという要素を1本にまとめた電源タップです。この記事では、スペック表からは読み取りにくい「実際に使うとどこで引っかかるか」までを掘り下げます。

概要

結論から書きます。コンセントが遠いデスクトップPC環境や、スチールデスク・ラック周りの配線をまとめたい人には素直に勧められる製品です。一方で「1本だけ欲しい」「7口すべてをスイッチで切りたい」という人には合いません。理由は2つあります。ひとつは、この商品ページのタイトルに付いている「(× 4)」が示すとおり、4個セットでの販売であること。もうひとつは、一括スイッチが制御するのは7口のうち5口だけで、残り2口は常時通電だからです。

評価そのものは安定しています。Amazon.co.jp のレビューは2026年5月27日取得時点で204件、平均4.4(5段階)で、好評率に換算すると約88%です。200件規模のレビューで4.4というのは、電源タップというカテゴリでは「基本的な作りに不満が出ていない」ことを意味します。逆に言えば、4.4止まりである以上、後述する常時通電2口やマグネットの保持力といった仕様上の割り切りは存在します。

この製品の要点(先に結論)

項目 どう読むか
口数 7 PC本体・モニター2枚・スピーカー・充電器まで一括で賄える規模
コード長 5m 壁コンセントが部屋の反対側でも届く。短い設置には長すぎる
プラグ形状 3P(3極) 接地端子付き。2P壁コンセントには変換アダプタが必要
雷サージ対応 あり(バリスタ) 誘導雷向け。直撃雷は守れない
一括スイッチ あり(5口制御) 残り2口は常時通電。ここが最大の注意点
マグネット あり(2箇所) スチール面に貼れる。木製デスクでは使えない
スイングプラグ 180°回転可能 家具の裏など奥行きのない場所で効く
PSE認証 取得 国内の電気用品安全法の基準をクリア

表だけ見ると「全部入り」に見えますが、実際の使い勝手を決めるのは口数ではなく、スイッチの制御範囲とコード長です。7口あっても常時通電させたい機器が3台以上あるなら、この製品のスイッチ設計とは噛み合いません。

互換性ガイド

まず電気的な前提です。本製品は日本の一般家庭用 AC100V コンセント(50/60Hz)を想定した仕様で、プラグは3Pです。壁側が2P(接地極なし)の場合、そのままでは挿さりません。市販の3P→2P変換アダプタを使えば物理的には挿せますが、変換した時点で接地が切れます。変換アダプタから出ているアース線は、壁のアース端子(エアコン用コンセントや水回りのコンセントに付いていることが多い)へ必ず接続してください。アースを浮かせたまま使うと、雷ガードの保護効果も、漏電時の安全性も本来の設計どおりには働きません。

タップ側の差し込み口は3P対応ですが、一般的な2Pプラグの機器もそのまま挿せます(3番目のピンが接地極のため)。抜け止め形状のため、挿すときに軽くひねる動作が要る個体があります。これは不良ではなく仕様で、逆に足を引っかけてもプラグが抜けにくいという利点になります。ただし「抜けにくい」ということは、緊急時に素早く引き抜きたい用途には向かないということでもあります。

合計容量については、日本の一般的な電源タップは合計1500W(15A)が上限として設計されているのが通例ですが、本製品の定格値は与えられた仕様情報に含まれていないため、商品ページの記載を必ず確認してください。目安として、デスクトップPC(実消費200〜400W程度)+4Kモニター2枚(各30〜60W程度)+スピーカーや充電器といった構成なら余裕があります。逆に電子レンジ・ドライヤー・電気ケトル・こたつ・オイルヒーターのような発熱系家電は、1台で1000W超えが普通なので、この種のタップに挿す使い方は避けてください。

物理的な干渉も見ておきます。5mコードは「余る」ことのほうが多く、余った分をぐるぐる巻きにして束ねたまま通電させるのは発熱の観点で避けたい使い方です。8の字にゆるく畳む、あるいは配線トレーに這わせるのが安全です。マグネットは2箇所で、スチールデスクの脚・スチールラックの支柱・スチール製の引き出し側面などに貼り付けられます。木製天板やアルミフレームのデスクでは磁力が効かないので、その場合は面ファスナーや専用のケーブルトレーとの併用が前提になります。180°回転するスイングプラグは、家具を壁にぴったり寄せたい場面で効きます。壁とデスクの隙間が数cmしかない設置なら、この機構の有無で置けるかどうかが変わります。

なお PC パーツとしての互換性(CPUソケット、メモリ規格、PCIe世代など)は電源タップには該当しません。必要な確認はコンセント形状・接地の有無・合計容量・設置面の材質の4点だけです。

商品情報

販売元はサンワダイレクト(サンワサプライの直営ストア)です。参照した Amazon.co.jp の価格は、2026年5月27日取得時点で ¥8,320(税込表記)でした。価格は頻繁に変動し、セール時にはさらに下がることがあるため、購入前に必ず商品ページで最新の価格を確認してください。この記事の価格は「その時点のスナップショット」であり、現在の価格を保証するものではありません。

重要なのは、この価格が単品ではなく、タイトルの「(× 4)」が示す4個セットに対するものと読める点です。もしそのとおりであれば、1本あたりはおおよそ ¥2,080 前後という計算になります。7個口・5mコード・雷ガード・マグネット・一括スイッチを備えたタップの単価としては妥当な水準です。ただし裏を返せば、必要なのが1本だけの人にとっては、使わないタップを3本抱えることになります。購入前にセット数の表記を必ず確認してください。もう一方の参照先である eBay 側は検索結果へのリンクのみで、金額は取得できていません。

仕様面では PSE 認証(電気用品安全法)を取得済みで、国内で流通させるための安全基準はクリアしています。保証は初期不良対応が中心という位置づけです。雷ガードはバリスタ方式で、定格サージ電圧や最大サージ電流といった数値は与えられた情報に含まれていません。この種の数値は同カテゴリの製品でも公開されないことが多いため、「家庭用として一般的な誘導雷対策」という理解にとどめるのが妥当です。

競合製品との比較

同じ「5mコード+マグネット」という組み合わせでは、パナソニックの OAタップ接地15A抜け止め形 4コ口(WCH2454H)が直接の比較対象になります。あちらは4口でスイッチを持たない代わりに、配線器具メーカーらしい堅牢な作りが期待できます。口数を取るか、スイッチを取るか、ブランドの信頼性を取るかという選び方になります。7台以上をまとめたい、かつ一括で電源を落としたいなら700-TAP036、口数が足りていてシンプルさを重視するなら4口モデル、という切り分けが現実的です。

デスク上での取り回しを重視するなら、クランプでデスクに固定できてUSBポートも持つタイプ(エルパのデスクタップなど)が候補になります。700-TAP036 には USB ポートがないため、スマホやイヤホンの充電はUSB充電器を1口占有して行うことになります。充電器を挿すぶん、実質的に使える口数は7より減ると考えておいてください。

注意したいのは、同じ「電源タップ」カテゴリでも北米仕様の製品が混在していることです。1625W・ETL認証・NEMAプラグといった表記の製品は北米の120V環境向けで、日本の壁コンセントにそのまま使うことは想定されていません。比較検討の際は、まず「日本仕様かどうか」を最初のふるいにかけてください。

実際の設置とケーブルの取り回し

設置で効いてくるのは、5mという長さをどう始末するかです。おすすめは、壁コンセントからデスク脚の内側へ沿わせてマグネットで固定し、余長はデスク裏のケーブルトレーに逃がす方法です。床に這わせると掃除機やロボット掃除機が引っかかり、抜け止めコンセントとはいえ本体側の負担になります。マグネットでデスクフレームに浮かせておけば、床拭きも掃除機がけも一度で済みます。

昇降デスクで使う場合は、上下動でコードが引っ張られない長さの余裕を必ず残してください。5mあるのは有利ですが、余長を短く固定しすぎると天板を上げたときにコードが張り、マグネットが剥がれてタップが落下します。最上位置まで一度上げてから固定位置を決めるのが確実です。

一括スイッチの使い方も設計しておくと便利です。常時通電させたい機器(ルーター、NAS、常時録画機器、Wi-Fiアクセスポイントなど)はスイッチ非制御の2口へ、寝る前に完全に切りたい機器(モニター、スピーカー、プリンター、デスクライトなど)はスイッチ制御の5口へ、と最初に決めて挿してください。ここを適当にすると、スイッチを切った瞬間にNASが落ちる、といった事故が起きます。

おすすめユーザー

次のような人に向いています。

  • 壁コンセントがデスクから離れており、延長コードとタップを別々に用意したくない人。5mコードは、部屋の対角にコンセントがある間取りでも1本で届きます。
  • デスクトップPC・モニター・スピーカー・プリンター・充電器と、周辺機器が6〜7台に達している人。口数に余裕があるほど、後から機器を足したときにタップを増設せずに済みます。
  • スチールデスクやスチールラックを使っていて、床にタップを置きたくない人。マグネット2箇所での固定は、掃除のしやすさに直結します。
  • 接地端子付きの機器(一部のPC電源、業務用機器、金属筐体のオーディオ機器など)を、変換アダプタなしでそのまま挿したい人。
  • 家族やチームで複数拠点・複数部屋にタップを配りたい人。4個セットという販売形態は、まとめ買い前提の人にとってはむしろ利点です。
  • 就寝時や外出時に、周辺機器の待機電力をまとめて落としたい人。ただし常時通電させたい機器が2台以内に収まることが条件です。

購入前の注意点

1. 一括スイッチは7口すべてを制御しない。 仕様上、スイッチが効くのは5口で、残り2口は常時通電です。「一括スイッチ付き」という言葉から全口オフを期待して買うと、確実に落胆します。逆に、常時給電したい機器が必ずある構成では、この2口はむしろ設計として合理的です。全口を確実に落としたいなら、この製品ではなく全口スイッチ制御のモデル、または個別スイッチ付きモデルを探すべきです。

2. 4個セットである点。 タイトルの「(× 4)」を見落として単品価格だと思い込むと、金額の印象が大きく変わります。参照時点の¥8,320という金額は、単品のタップとしては高く見えますが、4本と読めば1本あたり約¥2,080です。必要本数と合っているかを先に確認してください。

3. 雷ガードに過度な期待をしないこと。 バリスタ方式の雷サージ保護は、近隣への落雷で電線に生じる誘導雷を想定したものです。直撃雷は防げません。またバリスタは大きなサージを吸収するたびに劣化する消耗部品で、見た目では劣化が分かりません。落雷が多い地域では、数年単位での買い替え、あるいは本当に守りたい機器にはUPS(無停電電源装置)の併用を検討してください。LANケーブルや同軸ケーブル経由で入るサージは、電源側の雷ガードでは防げない点も見落とされがちです。

4. マグネットは万能ではない。 木製天板、アルミフレーム、樹脂製ラックには貼り付きません。またスチール面でも、塗装が厚い場合や貼り付け面にホコリがある場合は保持力が落ちます。7口すべてに太いプラグやACアダプタを挿すと本体の重量とモーメントが増すため、垂直面に貼る場合は落下の可能性を見込んで、下に精密機器を置かない配置にしてください。

5. 大電力家電をつながない。 電子レンジ、ドライヤー、電気ケトル、こたつ、オイルヒーター、電気ストーブといった発熱系家電は、この種のタップに挿す用途ではありません。タップの合計容量を超える使い方は、発熱・変形・最悪の場合は発火につながります。PC周辺機器とAV機器に限定して使うのが安全な運用です。

6. 商品ページの登録情報が食い違うことがある。 参照した価格情報では、販売元ラベルが「Amazon US」となっている一方、リンク先は Amazon.co.jp、通貨は日本円でした。こうしたラベルと実体の食い違いは自動収集の過程で起こりがちです。読者の皆さんが商品ページを開いたときも、販売元表記・型番・セット数・画像が一致しているかを、購入ボタンを押す前に必ず自分の目で確認してください。特にセット数と価格の対応関係は、間違えると金額の感覚が4倍ずれます。

7. 5mが要らないなら、むしろデメリット。 壁コンセントがデスクのすぐ横にある環境では、余った4m超のコードを収める場所を作る手間が発生します。設置距離が1〜2mで足りるなら、短いコードのモデルのほうが結果的にきれいにまとまります。

よくある質問

Q. 2Pのコンセントしかない部屋でも使えますか。
A. 3P→2P変換アダプタを使えば使用できます。ただし変換した時点で接地が切れるため、アダプタのアース線は壁側のアース端子に接続してください。接地なしで使うと、雷ガードの効果も安全性も設計どおりには働きません。

Q. 一括スイッチで7口すべてを切れますか。
A. 切れません。仕様上、スイッチが制御するのは5口で、2口は常時通電です。ルーターやNASなど落としたくない機器をその2口に割り当てる前提で使ってください。

Q. 合計で何Wまで挿せますか。 A.

定格値は与えられた仕様情報に含まれていないため、商品ページの表示を確認してください。日本の一般的な電源タップは合計1500Wが上限として設計されているのが通例です。いずれにせよ、ドライヤーや電子レンジのような大電力家電は挿さないでください。

Q. 雷が落ちても接続機器は絶対に無事ですか。
A. 絶対ではありません。バリスタ方式の雷ガードは誘導雷を対象としたもので、直撃雷は防げません。重要なデータを扱う機器はUPSの併用と、こまめなバックアップで守ってください。

Q. レビューの評価はどれくらいですか。 A.

2026年5月27日取得時点で、Amazon.co.jp のレビューは204件、平均4.4(5段階)でした。好評率に換算すると約88%で、基本性能に大きな不満は出ていない水準です。ただしレビュー件数と評価は日々変わるため、最新の状況は商品ページで確認してください。

Q. 木製デスクでもマグネットの代わりになる固定方法はありますか。
A. 強力な面ファスナーや、デスク裏に取り付けるケーブルトレーとの併用が現実的です。マグネットが効かない環境では、床置きを避けるためにトレーを先に用意しておくと配線がきれいにまとまります。