Logitech G920 ドライビングフォースは、Xbox One と Windows PC の両方で使えるベルト+ヘリカルギヤ駆動のフォースフィードバック・ステアリングコントローラーです。デュアルモーターによるフォースフィードバック、900度ロックトゥロックのステアリング、クラッチを含む3ペダルユニットという構成で、2015年頃の登場以来ロングセラーになっています。Amazon.co.jp のレビューは5,830件で5つ星のうち4.6(好評率92%)と、長期間売れ続けた製品らしい安定した評価です。
概要
結論から書くと、この G920 は「Xbox One(および Series X|S 世代のタイトルを含む Xbox エコシステム)でレースゲームをコントローラーから卒業したい人」向けの入口として、いまも通用する定番機です。ギヤ駆動なのでダイレクトドライブ機のような滑らかさはありませんが、路面の段差やタイヤが滑り出す瞬間の手応えは十分に伝わり、パッドとは別次元のタイム短縮とコントロール感が得られます。
一方で注意が必要なのは、この個体が国内正規流通品ではなく輸入品として販売されている点です。国内で正規に流通しているのは PlayStation 向けの G29 で、Xbox 向けの G920 は並行輸入という形で入手することになります。後述しますが、電源プラグ形状・サポート・価格の3点で正規品とは条件が変わります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対応プラットフォーム | Xbox One / Windows PC |
| フォースフィードバック | デュアルモーター |
| ステアリング回転角 | 900度(ロックトゥロック、約2.5回転) |
| ペダル | 3ペダル(アクセル / ブレーキ / クラッチ) |
| ボタン数 | 5 |
| 接続 | USB 有線 |
| 電源 | AC 電源コード式 |
| ギア方式 | ヘリカルギヤ |
| 色 | ブラック / ホワイト |
表のうち実用上いちばん効いてくるのは「900度」と「3ペダル」です。900度あれば実車と同じ感覚で腕を交差させながら切ることができ、ドリフト系やラリー系のタイトルで特に差が出ます。クラッチ付きの3ペダルは、別売りのシフターを足したときに初めて真価を発揮する部分で、Hパターン+クラッチのマニュアル操作まで踏み込みたい人には将来の伸びしろになります。
互換性ガイド
必要なのは Xbox One 本体、または USB ポートのある Windows PC です。接続は USB 有線のみで、ワイヤレス接続には対応しません。PC 側の OS は Windows 10 / 8.1 / 8 / 7 が対象とされており、PC で使う場合はドライバとプロファイル管理のために Logitech Gaming Software(世代によっては G HUB)のインストールが前提になります。ゲーム内でハンドルが認識されない、回転角が270度のまま固定されるといったトラブルの大半は、このソフトが入っていないか、ゲーム側の入力デバイス設定でハンドルが選ばれていないことが原因です。
最大の落とし穴は電源です。この製品は USB バスパワーでは動かず、AC 電源コードからの給電が必須です。輸入品のため付属する電源プラグの形状が日本のコンセントと異なることがあり、その場合は変換アダプター、またはメガネ型(C7 など)の国内向け AC 電源コードを別途用意する必要があります。届いてから気づいて週末をつぶす、というのが典型的な失敗パターンなので、注文と同時に電源側も手配しておくことをおすすめします。
物理的な設置条件も事前に確認してください。G920 のようなギヤ駆動機はトルクが強く、デスクに付属クランプで固定しないと、コーナリング中に本体が前後にずれます。天板が薄いガラス天板やスライド式のキーボードトレイは、クランプの締め付けに耐えられないことがあります。ペダルユニットも同様で、フローリングやカーペットの上に直置きすると、強くブレーキを踏んだときに前方へ滑っていきます。専用のホイールスタンドやプレイシートを併用するのが結局は近道です。
商品情報
価格については、取得時点の値として次の2つが確認できています。Amazon.co.jp 側は2026年6月6日取得時点で ¥76,130、楽天(パームスアメリカ)側は2026年8月16日取得時点で ¥65,980 でした。いずれも並行輸入を扱うショップの掲載価格で、時期や在庫状況によって大きく動きます。
ここは正直に書いておきます。この価格帯は、G920 という製品のクラス(ミドルレンジのギヤ駆動機)に対しては明確に高い部類です。国内正規品として流通していないぶん、輸入コストと転売マージンが乗った価格になっていると考えるのが自然で、「この金額がこの製品の適正価格」ではありません。購入前には必ず複数のショップを比較し、セール時期を待てるなら待つ価値があります。金額は頻繁に変わるため、最終的な判断は必ず商品ページで最新価格を確認したうえで行ってください。
付属品はステアリングホイール本体、クラッチ付き3ペダルユニット、AC アダプター、USB ケーブルです。保証はメーカー標準で2年間とされていますが、輸入品の場合、国内サポート窓口での対応は限定的になる可能性があります。故障時にどこへ送ることになるのか、販売ショップの保証条項を購入前に読んでおくと安心です。
商品情報
(Amazon参照)
- メーカー名: Logitech G
- 販売元: ゆづきストア
- 出荷元: ゆづきストア
- ASIN: B013Y78YY4
- 注記: 本記事はメーカー製造品をAmazon掲載情報に基づいて紹介しています。
競合製品との比較
同じ価格帯・近い用途で比較検討されるのは、大きく分けて3系統です。
1つめは Thrustmaster のベルト駆動機(T300 RS GT Edition など)です。ベルト駆動はギヤ駆動よりノイズが少なく、フォースフィードバックの立ち上がりが滑らかです。ただし主な対応先が PlayStation 系なので、Xbox で遊びたいなら選択肢から外れます。プラットフォームで決まる部分が大きい、というのがハンコン選びの現実です。
2つめは MOZA R3 / R5 のようなダイレクトドライブ機です。モーターの軸に直接ホイールが付く構造で、路面情報の解像度は G920 とは比較になりません。一方で、R3 系には PC 専用のものがあり、コンソールで使えるかどうかは個別に確認が必要です。予算に余裕があり、遊ぶのが PC 中心なら、いま新規に買うなら DD 機は有力な対抗馬になります。
3つめは、そもそも G920 の後継である G923 です。TRUEFORCE 対応など機能面の差があるため、国内で正規に入手できる価格差次第では、そちらを検討する価値があります。「輸入品の G920 に7万円前後を払う」より「正規流通の後継機を買う」ほうが総合的に安く済むケースは十分にありえます。
実際の使用感
ギヤ駆動機の特徴として、センター付近にわずかな遊びとギヤのざらつき(コギング感)があります。ダイレクトドライブ機から乗り換えた人が最初に気になるのはここですが、パッドやマウスから来た人にとってはほとんど問題になりません。むしろ、強めに設定したときの腕にかかる負荷は十分で、1時間走ると腕が疲れる程度のトルクは出ます。
動作音も知っておくべき点です。フォースフィードバックが強く働く場面ではギヤの動作音が明確に聞こえます。深夜に集合住宅でプレイするなら、フィードバック強度をゲーム内設定で落とすか、ヘッドホン併用が前提になります。ペダルの踏み込み音も含めて、静音性を最優先する用途には向きません。
ブレーキペダルはプログレッシブラバー方式で、踏み込むほど重くなる構造です。ロードセル式(荷重感知式)のペダルに比べると再現性は落ちますが、この価格帯としては素直で、慣れればブレーキングポイントは安定します。物足りなくなったら、ペダルだけ上位品に交換するというアップグレード経路もあります。
導入手順
電源プラグの形状を確認し、必要なら変換アダプターかメガネ型 AC コードを用意する。
ホイール本体をデスクにクランプで固定する。天板の厚みと強度を先に確認する。
AC 電源と USB を接続する。初回起動時にホイールが左右に自動キャリブレーションするので、手を離しておく。
PC の場合は Logitech Gaming Software(または G HUB)をインストールし、回転角を900度に設定する。
ゲーム側の入力設定でデバイスを選び、フォースフィードバック強度を50〜70%あたりから調整を始める。最初から100%にすると細かい情報が潰れます。
おすすめユーザー
もっとも向いているのは、Xbox One で Forza Motorsport や Forza Horizon シリーズをパッドではなくハンドルで走り込みたい人です。900度のステアリングとクラッチ付き3ペダルという構成は、この2シリーズの挙動と相性がよく、コントローラーからの乗り換えで最も体験の変化を感じられます。
PC で Assetto Corsa や iRacing、RaceRoom といったシミュレーション系を遊ぶ人にも十分な性能です。将来的に別売りの Driving Force シフターを足せば Hパターン+クラッチのマニュアル操作が可能になり、旧車やGT系の走行がぐっと本格的になります。「まずハンコンというものを体験したい」「いきなり十数万円のダイレクトドライブは踏み切れない」という段階の人にとって、完成度の高い出発点です。
逆に、レビュー好評率92%(5,830件・5つ星のうち4.6)という高評価は、あくまで製品そのものへの評価です。この輸入品としての購入条件が自分に合うかどうかは、別に判断してください。
購入前の注意点
輸入品であることが最大の変数です。 電源プラグの形状違い、国内サポートの限定、そして正規流通品より高い価格。この3つを許容できるかが判断の分かれ目になります。特に価格は、取得時点で ¥76,130(2026年6月)/¥65,980(2026年8月)と、G920 のクラスに対して割高です。同じ予算でダイレクトドライブ機や後継の G923 が視野に入る可能性があるので、必ず横並びで比較してください。
掲載情報そのものを疑ってかかるべき場面もあります。 マーケットプレイス経由の商品ページでは、販売元・出荷元がメーカーではなくサードパーティのショップになっていたり、まれに別商品のメタデータ(型番やメーカー名)が混ざっていたりします。この記事の参照元でも販売元・出荷元は第三者ショップです。商品ページを開いたら、登録情報の文字だけを信じず、必ず商品画像とタイトルで「Xbox 向けの G920 本体(ペダル付き)」であることを確認してください。G920 用のケーブルやスタンドといったアクセサリが、本体と紛らわしいタイトルで並んでいることもあります。
向かないのはこういう人です。 PlayStation でしか遊ばない人(G920 は PS では動きません)。夜間に静かに遊びたい人(ギヤ音が出ます)。デスクに固定できる環境がない人(クランプが効かない天板では実用になりません)。そして、すでにダイレクトドライブ機を触ったことがある人には、センター付近の感触が物足りなく感じられるはずです。
割り切るべき点も明確です。 ボタン数は5個で、シム系タイトルの複雑な操作をすべてホイール上に割り当てることはできません。ブレーキもロードセルではありません。これらは価格に対する当然のトレードオフであり、不満が出てきたときにペダルやシフターを買い足して育てていく、という前提で買うのが正しい付き合い方です。
よくある質問
Q. PlayStation 5 や PS4 で使えますか?
A. 使えません。G920 は Xbox One と Windows PC 向けです。PlayStation で使いたい場合は、国内正規販売されている G29 系を選んでください。
Q. Xbox Series X|S でも動きますか? A.
G920 は Xbox One 世代向けの製品ですが、Xbox は後方互換性を持つ設計です。ただし、対応可否は最終的にタイトル側とファームウェアの状態に依存するため、購入前にメーカーの対応表と、遊びたいタイトルの対応デバイス一覧を確認することをおすすめします。
Q. USB だけで動きますか?
A. 動きません。AC 電源コードからの給電が必須です。輸入品はプラグ形状が日本のコンセントと異なることがあるため、変換アダプターかメガネ型 AC コードを併せて用意してください。
Q. シフターは付属しますか?
A. 付属しません。同梱されるのはホイール本体、クラッチ付き3ペダルユニット、AC アダプター、USB ケーブルです。Hパターンシフトをしたい場合は別売りの Driving Force シフターが必要です。
Q. 回転角が270度くらいしかないように感じます。 A.
ソフトウェアかゲーム側の設定です。PC なら Logitech Gaming Software(または G HUB)で900度に設定し、そのうえでゲーム内のステアリング回転角設定も合わせてください。両方が一致していないと、切りすぎ・切り足りない感覚が残ります。
Q. 保証はどうなりますか?
A. メーカー標準は2年間ですが、輸入品では国内窓口の対応が限定的になる可能性があります。購入するショップの保証条件(送付先・期間・費用負担)を購入前に確認しておいてください。





