概要
ENDGAME GEAR XM1r は、PixArt PAW3370 センサーとケーブルを除いて 70g の左右対称シェルを組み合わせた、競技 FPS 向けの有線ゲーミングマウスです。結論から言うと、クローグリップまたはフィンガーティップグリップで、ワイヤレスの充電・ドングル管理を避けたい人にとっては今でも有力な選択肢です。逆に、手が大きいパームグリップの人、右側サイドボタンが必要な人、4K/8K ポーリングのワイヤレスを求める人には向きません。
初代 XM1 のリフレッシュモデルとして 2021 年初頭に登場し、シェルの評判はそのままにセンサー・スイッチ・ケーブルを刷新した位置づけです。Amazon.co.jp のレビューは 2026年6月時点の取得データで「5つ星のうち 4.4」、レビュー件数 1,672 件(好評率換算で 88%)と、1,000 件を超える母数で評価が安定しているのが強みです。発売から年数が経ったモデルでこの件数と評価が維持されているのは、シェル形状とクリック感が特定の層に刺さり続けている証拠と言えます。
主要スペックの読み方
| 項目 | 値 | 実用上の意味 |
|---|---|---|
| センサー | PixArt PAW3370 | 現行世代の一つ前だが、実プレイで不足を感じる場面はほぼない |
| 最大 CPI | 19,000 | 実際に使うのは 400〜1,600 CPI が中心。上限値は選定基準にならない |
| 重量(ケーブル除く) | 70g | 超軽量ではないが、振り回して疲れない領域 |
| ボタン数 | 5 | 左右クリック+左サイド2+ホイールクリック |
| スイッチ | Kailh GM 8.0 | 金メッキ接点。手作業で選別されたものを搭載 |
| 接続 | USB 有線 | 遅延・バッテリー残量を考えなくてよい |
最大 CPI 19,000 という数字は、マウス選びの実質的な判断材料にはなりません。競技 FPS プレイヤーの大半は 400〜1,600 CPI の範囲で運用しており、19,000 CPI を常用する人はほぼいないからです。この数値が意味するのは「センサーの素性が十分に新しく、高速移動時のトラッキング破綻が起きにくい」という一点で、そこを確認したら次はシェル形状と重量に判断軸を移してください。マウス選びで後悔する原因の 9 割はセンサーではなく形状です。
重量 70g も同様に、単独では良し悪しを決めません。2020 年前後は 70g が「軽量マウス」の代表格でしたが、現在は 50g 台の製品が普通に存在します。それでも 70g は、極端に軽いマウスにありがちな「軽すぎて止めたい位置で止まらない」問題が起きにくい重量帯で、低感度で腕を大きく振る人ほど恩恵を感じやすい設計です。
互換性ガイド
接続は USB 有線のみで、無線モードやレシーバーはありません。Windows と macOS ではドライバなしで基本動作(移動・5 ボタン)が可能ですが、CPI 段階の変更、ボタンの再割り当て、アングルスナップやリップルコントロールの設定には専用ソフトウェアが必要です。ソフトウェアは Windows 前提で提供されるため、macOS や Linux をメインにする場合は、Windows 機で設定を書き込んでから使う運用を想定してください。設定がマウス本体のオンボードメモリに保存されるタイプであれば、以降はソフトウェアなしで運用できます。この点は購入前にメーカーの製品ページで確認することをおすすめします。
ケーブルは柔軟性の高いタイプで、マウスバンジーと組み合わせたときの引っかかりが少ない設計です。ただし「柔らかいケーブル」はあくまでワイヤレスに近づける工夫であって、ワイヤレスそのものではありません。バンジーを使わずにデスク端でケーブルが垂れる環境だと、ケーブルの自重が横方向の抵抗として効きます。有線マウスを軽さ目当てで買う場合、バンジーは実質的に必須アクセサリだと考えてください。
形状は左右対称ですが、サイドボタンは左側のみです。つまり右手用として設計された対称シェルであり、真の両利き対応ではありません。左手で使う場合、親指側にボタンが来ないため、サイドボタンに割り当てていた操作(多くの FPS ではしゃがみ・近接攻撃・ピンなど)をキーボード側に逃がす前提になります。左手用マウスとして検討している人は、この 1 点で候補から外したほうが失敗しません。
USB ポート側の要件は特殊ではなく、USB 2.0 のポートで動作します。USB ハブ経由でも動きますが、ポーリングの安定性を優先するなら PC 本体のポートに直挿しするのが無難です。ノート PC で Type-C ポートしかない場合は変換アダプタが必要になります。
グリップ別の適合
- クローグリップ — 最も相性が良い持ち方です。手のひらを浮かせて指で支える形なので、70g という重量と背の低いシェルが効きます。
- フィンガーティップグリップ — 指先だけで摘まむ持ち方でも扱えます。ただし手が小さい人ほど後方の余りが気にならず、快適に使えます。
- パームグリップ — 手のひら全体を預ける持ち方には、シェルの高さと長さが足りない可能性があります。特に手の長さが 19cm を超えるあたりから、後方が支えきれず前傾姿勢になりがちです。
グリップは「自分がどう持ちたいか」ではなく「そのマウスでどう持たされるか」で決まります。パームで持ちたい人が小さめのシェルを買うと、無意識にクロー寄りに持ち方が変わり、結果として手首に負担が集中することがあります。現在使っているマウスの寸法を測り、それとの差分で判断するのが最も確実です。
競合との位置づけ
同じ左右対称・軽量というカテゴリには、現在ワイヤレスの選択肢が数多くあります。50g 台の無線モデルや、より新しい PAW3395 世代のセンサーを積んだ製品も一般的になりました。そうした中で XM1r を選ぶ理由は、主に次の 3 つに絞られます。
有線であること自体がメリットになる場合 — バッテリー残量を管理したくない、複数 PC で使い回す、ドングルの紛失や 2.4GHz 帯の混雑を避けたい、といった運用上の理由です。
クリック感を重視する場合 — Kailh GM 8.0 は金メッキ接点を採用し、明瞭な押下感と長寿命を狙ったスイッチです。手作業での選別を謳っている点も含め、クリックの均一性を重視する層への訴求が明確です。
このシェル形状が手に合う場合 — 形状は代替が効きません。XM1 系のシェルが手に合うと分かっているなら、それ自体が十分な購入理由になります。
逆に、上記のいずれにも当てはまらないなら、より新しい世代のワイヤレス製品を検討したほうが満足度は高くなる可能性があります。
商品情報
スペックは前掲の表のとおりで、PixArt PAW3370 センサー、最大 19,000 CPI、ケーブル除き 70g、5 ボタン、Kailh GM 8.0 スイッチ、USB 有線接続という構成です。保証期間はメーカーにより 2 年間とされています。同梱物はマウス本体、USB ケーブル、交換用グライドフィート(ソール)、取扱説明書です。交換用ソールが最初から付属するのは地味に効く点で、ソールは消耗品なので、購入後半年〜1 年で滑りが落ちてきたタイミングで追加投資なしに交換できます。
価格は取得時点で次のとおりです。楽天(ハッピーアンドハッピー)が 2026年8月14日取得時点で ¥10,590、Amazon 経由が 2026年6月29日取得時点で ¥4,980 となっています。この 2 つは倍以上開いているため、どちらか一方(あるいは両方)が、記事執筆後に変動しているか、状態違い・並行輸入・別バリエーションの価格を掴んでいる可能性があります。 実際に購入する際は、必ず販売ページで現在の価格・保証の有無・国内正規品かどうかを確認してください。eBay 側は検索リンクのみで、確定した金額は取得できていません。
レビューは Amazon.co.jp で 2026年6月29日取得時点の「5つ星のうち 4.4」、総レビュー数 1,672 件です。100 点換算で 88% にあたります。この規模のレビュー数があると、極端な当たり外れが平均に埋もれにくくなるため、評価そのものの信頼度は比較的高いと判断できます。
商品情報
(Amazon参照)
- メーカー名: エンドゲームギア(Endgame Gear)
- ASIN: B08PL3HHNS
- 注記: 本記事はメーカー製造品をAmazon掲載情報に基づいて紹介しています。
おすすめユーザー
競技 FPS プレイヤー(クロー/フィンガーティップ) — 70g という重量と PAW3370 のトラッキング精度は、素早いフリックと細かい微調整の両方を要求されるタイトルで扱いやすい組み合わせです。低感度で腕を使うプレイスタイルほど、余計な重量が減る恩恵を実感できます。
ワイヤレスの管理コストを払いたくない人 — 充電を忘れて試合中に切れる、ドングルを持ち歩いて紛失する、寮や集合住宅で 2.4GHz 帯が混雑する。こうした事情がある環境では、有線であること自体が明確なメリットになります。
クリック感にこだわる人 — Kailh GM 8.0 は金メッキ接点で耐久性を狙ったスイッチで、押下感が明瞭です。連打よりも「1 回のクリックが確実に入ること」を重視する人に向きます。
サブ機・LAN 用の 2 台目を探している人 — 有線でセットアップが単純なため、持ち込み前提の環境でも扱いやすい構成です。
購入前の注意点
手が大きい人・パームグリップの人には小さい可能性があります。 これが最大の注意点です。XM1 系のシェルは背が低く、手のひら全体を預ける持ち方では後方の支えが足りなくなりがちです。手が大きい人がパームで使うと、指を伸ばした姿勢が固定され、長時間プレイで手首の付け根に負担が集中します。購入前に、現在使っているマウスの全長・幅・最大高を測り、公称寸法と比較してください。この確認を飛ばすと、性能に不満は無いのに「なんとなく合わない」まま使わなくなります。
左手では実質的に使いにくい構成です。 シェルは対称でもサイドボタンは左側のみなので、左手で握ると親指側にボタンがありません。「左右対称=両利き対応」と読み替えないでください。左手用として探しているなら別の製品を見るべきです。
有線であることは割り切りが必要です。 ケーブルが柔らかくてもゼロにはなりません。マウスバンジーを併用する前提でコストを見積もってください。バンジーなしでケーブルをデスクに這わせると、軽量マウスのメリットがケーブルの抵抗で相殺されます。
設定ソフトが必要な機能があります。 CPI 段階の変更やボタン再割り当ては専用ソフトウェア前提です。macOS や Linux をメイン環境にする人は、設定を書き込むための Windows 環境を確保できるか事前に検討してください。
販売ページの価格・登録情報の食い違いに注意してください。 本記事のデータでも、楽天側と Amazon 側で価格が倍以上開いています。発売から年数が経った製品では、在庫処分・並行輸入品・中古・別カラーが同じ検索結果に混在しがちです。商品ページを開いたら、価格だけでなく画像と商品タイトルで対象製品(XM1r であること)を必ず確認し、販売元・保証の有無・国内正規品かどうかもあわせて見てください。ページの登録情報(メーカー名や型番)が誤っているケースも実際に存在します。
世代の新しさを求めるなら別の選択肢があります。 2021 年のモデルであり、現在は 50g 台のワイヤレスや、より新しいセンサー世代・高ポーリングレート対応の製品が選べます。「最新スペックであること」自体に価値を感じるなら、この製品はその欲求を満たしません。
よくある質問
Q. 19,000 CPI という数字は必要ですか?
A. 実用上はほぼ不要です。競技 FPS では 400〜1,600 CPI 程度で運用するのが一般的で、上限値はセンサー世代の目安として見るにとどめてください。判断はシェル形状と重量を軸にするのが確実です。
Q. 70g は今でも軽量と言えますか?
A. 「超軽量」ではありませんが、実用上は十分に軽い部類です。現在は 50g 台の製品もありますが、軽すぎると停止精度が落ちると感じる人もいます。極端な軽さより扱いやすさを取る重量帯だと考えてください。
Q. 左利きでも使えますか?
A. シェルは対称なので握れますが、サイドボタンが左側のみのため、左手だとサイドボタンに指が届きません。サイドボタンを使わない運用にするか、左手向けに設計された製品を選ぶことをおすすめします。
Q. ソフトウェアなしでも使えますか?
A. Windows / macOS では接続するだけで移動とクリックは動作します。CPI 変更やボタン割り当てには専用ソフトが必要です。設定を本体に保存できるかはメーカーの製品ページで確認してください。
Q. ソールは交換できますか?
A. 交換用グライドフィートが同梱されています。ソールは消耗品なので、滑りが落ちてきたら交換してください。サードパーティ製の交換ソールも一般に流通しています。
Q. レビュー評価はどのくらい信頼できますか? A.
2026年6月29日取得時点で Amazon.co.jp のレビューが 1,672 件、評価は 5 つ星のうち 4.4 です。母数が 1,000 件を超えているため、平均値としては比較的安定していると判断できます。ただし個々の評価には状態違いの製品や輸入品への不満も混ざるため、購入元の確認は別途必要です。





